誰にも言えなくて7

その日の午後は、本郷と目を合わせることができなかった。



本郷が何か言いかけても、
恥ずかしくて、上手く言葉も交わせず、
結局逃げるようにして学校を後にした。






お前を好きだという本郷の言葉が胸に去来する。


真摯な目で見つめ、
顎を掬われ、キスをされそうになった。


あの時自分が本郷を突き飛ばしていなかったら、
確実に本郷と口づけを交わしていたのだろうか。



信哉はキスをしたことがない。

キスってどういう感じなのだろう。


テレビで見たことのあるあの行為は
互いの唇同士をくっつけているだけに見えるけれど。




本郷とキスをしている自分を想像してみるが、
知識がないため、どうにも上手くイメージができなかった。





信哉が知っているのは、
もっと深い交わりだ。


もし、兄と行っている行為を、
本郷としたらどんな感じなのだろう。



だがそれも、自分と情交を結ぶのは兄だけなので、
信哉にはまったく想像ができず、
そんな妄想で本郷を穢そうとしてしまったことに
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。





その日、使用人たちの話声で、
京一郎は仕事の関係で帰ってこないということを知った。



信哉の身体が休まるのは、
たまにある、京一郎が不在のこんな時だけだ。




ちょっとだけホットして、ベッドに入る。



だが、本郷との件があり、
悶々としたまま、ぐっすり眠ることはできなかった。









翌日も、なんだか本郷と顔を合わせるのが恥ずかしくて、
結局、逃げ回るような形になってしまった。





そして昼休み、信哉は校舎の裏手にある、
人気のない雑木林風の庭の中で一人で昼食を摂っていた。




一応、所々に切り株を模したベンチなどが、
円を描くように設置されてはいるが、

いいとこ育ちの坊ちゃんやお嬢様の多いこの学園では、
ここを利用する者はほとんどいない。


みな、オシャレなラウンジで、学食や購買で買ったものを摂っている。


信哉もよく、本郷とそのラウンジで食事をしていたが、
昨日のことがあったあとでは、とてもじゃないが、
行く気にはなれなかった。



今日は運よく、生クリームをサンドしてある甘いパンを買うことができた。
その甘いパンにかじりつく。

じわっと身体に染みていくようだ。


屋敷の料理は基本口にしないので、
学校で食べる昼食が信哉の唯一の食事だ。



誰もいない空間がとても落ち着く。



昨夜は悶々としてなかなか寝付けなかったが、
それでも、いつものように体力を使ったわけではないので、
幾分か身体は楽だった。



緑の中を駆け抜ける涼しい風が、木々の葉をさわさわと揺らし、
信哉を心地良くさせてくれる。
緑の香りを胸一杯に吸い込んだ。






突然、がさりと音がして、人の気配を感じた。
振り向くとそこには本郷が立っていた。




「本・・・郷君・・・・」

とたんに顔が赤くなっていくのが分かる。


「ここにいたのか・・・・」


やっと見つけた、と、ほっとする表情を見せる本郷に、
逃げ回っていたことが申し訳なく思えた。




「昨日はごめんな、橘・・・・」

改めて謝られると、
なんだかこっちの方が意地悪をしているような気になってくる。




「ううん・・・僕こそ、逃げちゃって・・・ゴメン・・・」


横に座ってもいいかと訊ねる本郷に、
信哉は少し躊躇ってから、うん、と頷いた。



昨日の詫びだと言って、
コーヒーの入った紙コップを渡された。

一杯50円という、学生に優しいこのコーヒーは
ここの生徒にも先生方にも大人気だ。


若いうちは飲みすぎに注意したほうがいいとも言われるが、
香ばしい薫りに、ついつい手が伸びてしまう。



挽きたての良い薫りが鼻腔をくすぐった。


信哉はそれを、ありがたく頂くことにした。


コーヒーを飲んでいる間、しばらく沈黙が続いたが、
先に口を開いたのは本郷だった。



「お前がさ、あの家で辛い目に遭ってるんじゃないかと思って・・・。
お前の兄さんを悪くは言いたくないけど、ちょっと色々聞いちゃってさ・・・」


信哉はギクリとした。

色々とは、一体なんのことを言っているのだろう。


「もし、もし橘が辛い目に遭ってたらって思ったら、なんか・・・・つい、
・・・・でもゴメン、つい、でやることじゃないよな・・・・」


「ううん、僕こそ、突き飛ばしてごめんね」


一生懸命に謝ってくれる本郷に、信哉こそ 昨日の無礼を詫びた。


「・・・でもね橘・・・、お前がいつも辛そうな顔をしてるだろ?」


「えっ・・・!?僕ってそんな風に見えるの!?」

苦笑いしながら、本郷はうんと頷いた。


自分では、精一杯普通を装っていたのに、
本郷には見破られていたらしい。



「なんか・・・橘をを守ってあげたいって・・・お前の事ばかり考えているうちに、
どうしようもなく好きになった」


「・・・・」

信哉はなんて答えていいのか分からなかった。


「橘の首に付いたあの痕を見て・・・誰かがお前を抱・・・」
「本郷君っ」



思わず声を荒げてしまった。
その先を言葉にしてほしくなかったからだ。

でも本郷は続けた。

「そう思ったらつい・・・俺はお前を誰にも渡したくないって思って・・・
お前を守ってあげたい、俺のものしたいと思ったんだ・・・・」




「本郷君・・・・」


信哉の胸がときめく。


この熱い告白が、
本物であると信じて疑わず、本郷の言葉が胸にじわりと広がっていく。



「橘・・・好きだ」

突然抱きしめられ、空になっていた紙コップが転がった。



「あっ・・・本郷君っ・・・」



「俺なら、絶対にお前を大事にするから・・・」



もちろん本郷のことは好きだ。
特別だ。
だけど。


漠然とした不安が胸に渦巻く。


その不安に気付いたのか
信哉を安心させるように、優しく背中をさすってくれた。


そうすると、不思議と安心感に包まれた。


こんな風に、抱擁などされたとこはなかったから。
真綿でくるまれたようなふわりとした気持ちになっていく。



甘えてもいいのだろうか、この人に。
全てを託してもいいのだろうか。



兄に嬲られているときに、心の中で助けを求めた人。



敬遠され、一人ぼっちだった信哉に、
声をかけてくれたのは本郷だけだ。



信哉の心の拠所で、憧れてやまない人。



その人が自分を好きだと言ってくれるのだ。

嬉しくないはずがなかった。



信哉は、本郷の広い胸に身体を預け、力を抜いた。





「橘・・・・・・」

ゆっくりと本郷の唇が近づいてきた。


そして・・・・・今度は、逃げなかった。


ちゅ・・・と触れるだけのキス。



(柔らかい・・・。)


初めてのキスは、そう思った。
人の唇は、こんなにも柔らかくて甘い。



何度も何度も、ついばむように、軽めのキスを繰り返す。




ふいに兄の顔が浮かんだ。



はっとなり、反射的に本郷のキスから逃れようとしたが、
もがいた瞬間、本郷の腕の拘束は強くなった。



「んっ!?」



にゅるりとしたものが口内に侵入してきて、
それが本郷の舌だと気づいた。


(な、何!?)

「やっ・・・・・んむっ・・・」


舌が絡め取られる。
何度も縺れ合い、唾液が口の端から零れるとそれをぺろりと舐め、
再び口内へと侵入する。

角度を変え、何度も何度も舌を嬲られる。


信哉の身体からは完全に力が抜けてしまっている。

キスってこんなことをするんだと初めて知り、
信哉の胸のドキドキは早くなっていく。


誰に教わったのか、本郷のキスはとても巧みで、
信哉の強張った心をどんどん溶かしてく。






「わっ・・・!ちょ・・本郷くんっ!」


すると突然、下半身に手を這わされ、信哉は狼狽した。



「橘・・・・うれしい・・・ちゃんと反応してる・・・・」

本郷とのキスで、性器が勃ち上がってしまっているのが
バレてしまい、信哉の頬は赤く染まっていく。


だが本郷は、
どんどん硬くなっていくそれを嬉しそうに撫でまわしている。


「やっ・・・!やだ・・・・」


確かに、本郷の告白を真摯に受け止め、、
キスは受け入れてしまったけれど、
いきなりそんなとこに触れらるのは流石に恥ずかしい。


抵抗しようとするが、なぜか身体に力が入らない。


戸惑う信哉をよそに、本郷はなんの躊躇いも見せず、
ファスナーを下げ、信哉のものを取り出してしまった。


「やっ・・・!本郷君っ!!」


むき出しになった信哉の勃起に手を添え、
本郷はそれを、緩急つけて扱きだした。



「やぁっ・・・やだ・・・やめて・・・・」

もがいても力が入らない。



「つーかお前の、キレイだな・・・・」

「やだっ・・・・やだぁ・・・っやめてっ・・・やめてっ」


「うそつけ・・・すげぇ先走り出てんじゃん・・・・」

ぐちょぐちょに濡れていくソレを、本郷はさらに追いつめ、
先端の柔らかな部分を円を描くようにくるくるとなぞっていく。



「オレ・・・・ここをこうするのが好きなんだ・・お前は?」

「ああっ・・・・んっ」

先端を撫でまわされ、
えもいわれぬ快感がせり上がる。



「そっか・・・お前もここ好きなんだ・・・。つーか、お前、声もかわいいな・・・・」

「あっ・・・・んっ・・・・」

「・・・俺もやべぇ・・・!」



そして、本郷はやにわに己の勃起を取り出した。


同じ年なのに、
信哉のより立派で、はるかに大人な感じのそれにぎょっとする。


そしてその猛りを、信哉の性器と一まとめにし、2本一緒に扱きあげ始めた。


「あっ!!やだ・・・っ!やぁ・・・!本郷くんっ・・・・!」
「橘・・・橘・・・・!」


性器と性器が擦れあう不思議な感触。

京一郎とはしたことのない行為に、少しだけ戸惑ったが、
二人分を同時に扱く本郷の手さばきはとても巧みで、
とうとう信哉は達してしまった。



それと同時に本郷も。


「あっ・・・・!」

「く・・・・・っ」



呼吸は乱れ、どきどきが治まらない。




だが、息つく間もなく、
本郷はとんでもない行為を信哉へと仕掛けてきた。


「あっ・・・や・・・何!?」


信哉は思わず目を瞠った。



突然、本郷は信哉の履いている物を、
下着ごと一気に脱がしてしまった。



そして、二人分の残滓をかき集めると、
あろうことか、信哉の秘部へ指を這わせてきたのだ。



驚いて、本郷から逃れようとしたがそれがかなわない。


ここにきて身体の異変に気づく。

力が全く入らないのだ。
そういえばさっきから身体がおかしかった。


最初は、本郷のキスで腰がくだけてしまったのだと思っていた。

だが、そうではないと気付いた時にはもう遅かった。


とうとう、本郷の指の侵入を許してしまう。


「あ・・・あん・・・だめっ・・・・だめっ・・・」


くちゅりと音を立てて、本郷の指は信哉の内部へと出入りする。


日ごろから京一郎を受け入れているそこは、
すぐに柔らかくなり、
指が2本に増やされても難なく受け入れてしまう。


「あ・・・あ・・・・ダメ・・・そこだけは・・・・・だめ・・・・・!!」

だが本郷は全く聞く耳を持たない。
それどころか指を3本に増やしてきた。



「んっ・・・・や・・・・ぁ!」

「橘・・・柔らかいな・・・」



抜き差しを繰り返されれば、信哉の身体はしっとりと熱を帯びて行く。


「簡単に指3本飲み込んで・・・・・・」

「ん・・・・あ・・・・あ・・・」


「やっぱ、毎晩、男に抱かれてるだけあるよな」


「―――!?」


一瞬にして、
冷水を浴びせられたよに、全身から一気に血の気が引いた。




「な・・・何言って・・・・」


声が上ずる。


「こんなんで感じるなんて、そうとう仕込まれてるな、お前」

「ひっ・・・やぁ・・・ん!」


内側の小さな突起ををコリコリと刺激する。



「お?何?ココがいいの?」

「ひうっ・・・あっ、あっ・・・あんっ!」




ニヤニヤと卑下た笑いを浮かべながら、
本郷は信哉の探り当てた前立腺を的確に攻めていく。



「何・・・ここを毎日、兄さんに突かれて喜んでるわけ?」


信哉の目が、見開かれる。

蒸気していた顔が蒼白に変わっていく。



「ど・・・どうして兄さんだって知って・・・!?」





「お?なにビンゴ?やっぱカマかけてみるもんだな。」

「なっ・・・!!!」

「そうか、やっぱり相手は京一郎さんかよ。」



頭が真っ白だ。
足元からガラガラと音を立てて崩れ去り、
底の見えない谷に落下していくような感覚。

だが。


「っ・・・!ひうっ・・・!!」



ぐりぐりと指で刺激され、
耐えきれないほどの快感によって現実に引き戻される。


「いっ・・・・!!・・・・・ふ・・・っ!」



信哉の秘部は潤い、湿った音を立てて本郷の指に絡みつく。

信哉は思わず、手の甲に歯を立てた。


「おいおい、どうしたよ、我慢すんなって。声出せよ」

「っあっ・・・・!ーーっ!−っ!」


3本の指が、中でバラバラに動かされる。



逃れたくても、抵抗したくても
身体に力が入らずにそれがかなわない。



はっとして、
信哉は空になって転がっているコーヒーのカップを見つめた。

(まさか・・・)




だがそのカップを、何者かががぐしゃりと踏みつけた。


「大丈夫だよ〜〜。そんなに強いお薬じゃないからさ〜。」


そこに立っていたのは、カメラを手にした久世だった。




(久世先生・・・・!)

そのカメラは、しっかりと信哉の方を向いている。


いつからここにいたのだろう。

あまりに突然のことに、信哉はもう何がなんだかわからない。
頭がついていけない。



「ホントはさ、昨日保険室でも撮ってたんだけど、
君、出ていっちゃうんだもん〜。
でも、今日のがちゃんといい感じで撮れてるからね〜〜。
悪いけど、利用させてもらうよ」

そう言ってずっとカメラを信哉の方へと向けている。


こうやって、
本郷が信哉を見つけ出してからの全てが、記録されているようだ。

今しがた、自分が兄と肉体関係を持っていると示唆したことも。


そして、今後起こることも、このカメラに収めるつもりなのだ。




「いやっ・・・・!イヤッ・・・やめてっ・・・・っ」


だが身体は動かない。信哉は恐怖のあまり泣き叫んだ。



「あんれ〜〜〜萎えちゃった〜」


恐怖で縮む信哉の性器を、
本郷は空いてる方の手で扱き始めた。

その物理的に生じる感覚によって、それは再び硬質さを取り戻す。



「イヤ・・・やめて本郷くん・・・!」

「いいねぇ〜その泣き顔。まじたまんねぇ・・・・」


これは本当に、あの優しかった本郷なのだろうか。


真っ先に声を掛けてくれて、
いつも心配してくれて、
頼もしかったあの本郷なのだろうか。


いじめっこのような悪い笑みを浮かべ、
信哉の射精を促すように手を動かす。



「あっ・・・・・!・・・・・っ・・・ああっ!」






「は〜い、いい子だね〜〜。上手にイケたねぇ〜橘くん。
ば〜〜っちり撮れたよ〜〜」


中と外、同時に刺激され、耐え切れず達したその瞬間を、
久世はチャンスとばかりに逃さなかった。


本郷は、信哉の放ったものを指ですくい取り、
ぺろりと舐めてしまった。


「・・・あゆ兄のと味違う・・・・。」

「・・・えっ・・・?」


「こら孝雄、今そんなこと言わないの。」



ふわりと笑う、
壮絶に美しい笑顔とは裏腹に、久世はとんでもないことを口走る。



「せっかくだから、橘くんで童貞捨てなよ。」

「――っ!?」


恐れていたことが起きようとした。

恐怖に体中から汗が噴き出す。


本郷はごくりと唾を飲み込み、信哉の放ったものをかき集め、
卑猥な手つきで信哉の蕾と、己の猛りに塗り込み始めた。



「いやっ!!!嫌だ!!やめて・・・・やめてよぉ!!!」


泣き叫ぶ信哉を、
面白いものでも見るように、二人分の冷たい双眸が見下ろす。



それはまるで悪夢だ。


本郷によって存分に慣らされたそこに、さらに潤いを施されていく。
もがこうにも薬のせいで身体は動かない。



本郷の息もだんだん荒くなっていき、そして、指が引き抜かれる。


「いやっ・・・いやだぁあ!!」


本郷は自分のものを信哉の入り口へとあてがう。


必至にやめてと訴えるが、
信哉の懇願は叶えられなかった。



「いやっ・・あっ・・・・ああっ・・あっ・・・!」


絶望感が信哉を支配していく。


だが悲しいことに、
心とは裏腹に信哉の蕾は、簡単に本郷を飲み込んでいく。


「うあ・・・っ・・・何コレ・・・すげぇっ・・・あっ!」


本郷も信哉のうねるような動きに翻弄される。



「あっ・・・あゆ兄・・・もう・・・出そうだ・・・」

「ばかだね、我慢しなよ。今からじゃないか・・・
これだから童貞は・・・あ、たった今、童貞じゃなくなったんだねぇ」

くすくすと笑い、
だが久世は信哉の痴態を全てカメラに収めていく。



「ほら孝雄、ちゃんと腰を動かしなよ。橘くんを喜ばせてあげなくちゃ・・・」

「あ・・・う・・・うん」


そう言って、初めてとは思えない腰つきで動きはじめた。


「あっ・・・あっ・・・!」


京一郎以外の男の勃起が、信哉の中を犯していく。



「いや・・・・ああっ・・・!・・・さんっ・・・!兄さん・・・・」

信哉の瞳からはぽろぽろと涙が零れ堕ちる。


「うあ・・・あぁ・・・兄さん・・・助けてっ・・・あぁっ・・・」

「ちょ・・・最中に他の男呼んでんじゃねぇよ・・・・」

それでも、興奮してる本郷は信哉への攻めをやめようとはしない。




助けて・・・・!
助けて・・・・!

兄さん助けてっ・・・・!



先程見つけた前立腺をを集中的に攻められ、
強制的に追い上げられる。



「ああっ・・・!」

「うっ・・・!やべ・・・出るっ・・・!」


ぱんぱんと腰を打ち付け、本郷の動きも速くなる。


「いや・・・・・さないで・・・!
中には・・・出さないでっ・・・お願・・・・あっ・・・ああっ・・・!」


せめてそれだけはと懇願したが、
だが、その願いも聞き入れてはもらえなかった。


じわりと注がれる、熱く滾る体液に信哉はさらなる絶望感を味わう。


兄以外の体液が、自分の中を浸していく。


「おやおや、孝雄ったら、中出ししちゃって・・・ふふっ。
いいよ、もっと飲ませてあげなよ」


若い本郷の雄はすぐに硬さを取り戻す。
そして、また信哉の中を夢中で突き始めた。


「いやぁ・・・・兄さん!兄さん・・・・・!」


「いいね〜〜。お兄さんを呼びながら、
他の男のをズブズブを飲み込んで・・・。なかなかそそる光景だよ」



助けを求める対象が何故兄なのか、自分でも分からなかったが、
だが、どうしても叫ばずにはいられなかった。


「孝雄、ほら、せっかくだから、おっぱいもいじってあげなきゃ」


言われるままに本郷は、ピンクに色づく信哉の突起を指で軽くこねまわす。


「あん・・・・ああっ・・・・あっ」

他人から初めて乳首をいじり回される感覚に、
信哉の身体がピクンと跳ねる。


戸惑いを見せる信哉の表情に、久世は片眉をピクリと上げた。


「おや、橘くんのお兄さんは、乳首は可愛がってはくれないのかな?」


確かに、京一郎はそんなことは一切しない。
ただ単に自らの凶器で貫くだけだ。
けっして、愛撫などしてくれない。


―――キスも。


京一郎から望めなかったのものを
こんな形で本郷から与えられても、なんのありがたみもなかった。



愛撫に慣れない信哉の身体は、ビクビクと震え、
相手が本郷であるにも関わらず、どんどん快楽を増していく。



「あん・・・や・・・やぁ・・・!ああっ!」

暖かい舌が胸の突起を包み込む。
でころころ転がし、そしてじゅっと吸い上げられる。

「やっ・・・あっあっ!」


「すげ・・・乳首いじると、こいつ中が締まるよ・・・」


空いている側もずっと指でつままれて。
軽くつまんでは、こねるようにいじったり、
爪を立てたり、はじいたり。


「あっ・・・・あっ・・・・あっ・・・・!」



(嫌だ・・・声が抑えられないっ・・・・・・!!)


でも、慣れない愛撫と
盛られた薬の作用なのか、それがどんどん信哉を淫らに堕としていく。



「ふふ、なぁに?おっぱい気持ちいいの?
じゃあ帰ったら、ちゃんとお兄ちゃんに教えてあげなよ。
『僕、おっぱいいじられると感じるの〜』ってね」


「いや・・・いやぁ・・・兄さん・・・兄さ・・・・んっ!ああ!」




蕾はぐちゃぐちゃに犯され、胸の突起も嬲られ、信哉は何度も達した。
そして本郷もまた信哉の中に体液を注ぎこむ。




「ちょっと待っててね」

そう言って、切り株のベンチにカメラを置き、
信哉たちの方角に固定させると、久世はその場を去った。


無情にもカメラは、信哉たちの痴態を映し続ける。





しばらくして久世は、車を用意して戻ってきた。


「孝雄、もうそろそろ終わりにしない?」

まだ繋がったままの二人をみて、久世が呆れたように笑った。


「でも・・・でも・・・あゆ兄ぃ・・・すげぇ気持ちいい」

「そりゃあ初めてだものねぇ・・・分かるよ〜。でも橘くん壊れちゃうよ。
もう放してあげなよ」


「でもあゆ兄ぃ」

渋る本郷に、久世はとびっきりの綺麗な笑顔を見せる。


「後で、僕を・・・ご褒美としてあげるから・・・・ね?」

それを聞いた瞬間、本郷の雄芯は質量を増した。




そして言われるままに腰を早め、
最後に射精すると、素直に信哉からそれを引き抜いた。



熱が出て行ったそこからは、本郷の放ったものが少し溢れていた。


「零しちゃだめだよ、橘くん。孝雄、橘くんの身なりを整えてあげて。」

そしてキレイに微笑んで、最後に恐ろしい一言を付け加えた。





「このまま・・・今からお兄さんの所まで送ってあげるよ。」


全身から血の気が引いた。



信哉は絶望の淵に立たされた。













「おい、ちゃんと締めとかないと零れるぜ」
「・・・・うっ!!」



久世の運転する車内で、信哉はガタガタと震える肩を本郷に抱かれている。


薬の効力はだいぶ薄れ、
身体を動かすことは可能だが、
でも今は、別な恐怖で身体が震え、動かすことができない。



「そんなに震えなくてもいいだろう」

震えないでいられるわけがない。



他の男に抱かれた揚句、
その男の体液を胎内に留めたままなのだ。

どれほどの制裁が待っているのか、考えただけで恐ろしかった。



気を抜くと本郷の放った体液が溢れてしまいそうで、
きゅ・・・とお尻に力を入れる。


「ごめんね、橘君。でも恨むなら君のお兄さんを恨んでね〜」

「え・・・・・?」

何を一体言いだすのか。


「キミのお兄さんが、めずらしく酔って帰ってきった日があったでしょ?
僕たちもあの日ね、パーティーに参加してたんだよ」


あの日とは、
京一郎が、女の匂いをさせて帰ってきた日のことだ。

中世的な美貌を誇る久世は、
叔父である本郷グループの社長命令で、
こういった企業のパーティーにはよく顔を出すらしい。

社長を装飾する、アクセサリーのようなものだ。


実際、他の会社の人間は、久世の美しさと弁才に魅了されて、
冷静さを欠く者もいるという。



だが、橘家は違ったのだ。


「だいぶ前からね、君のお兄さん・・・京一郎くんに言われてたんだよね、
今のままだと叔父の工場の取引を縮小するってさ」


事業のことは詳しくはわからないが、
叔父とは、おそらく本郷の父親のことだろう。






そう思ってはっとする。


そう言えば、京一郎が何社かと手を切る、
というような話を少し耳にはさんだような気がする。



手を切る。
つまり、契約も資金援助も一切しないということ。




でも、まさか本郷の会社だとは思ってなかった。


「そしてあの日、はっきり言われたよ、縮小どころか契約全面解除だってね」

「・・・・」



とても穏やかに話しているように見えても、
久世の声には憎しみがこもっている。




「叔父たちの会社より、安価で質の良いものを作る工場が見つかったんだと。
そっちへの乗り換えさ。ひどい話だよね〜」


ギュッ・・・とハンドルを握る手に力が入る。


「名前の知られていないような弱小企業なんかに、
大口の契約根こそぎもってかれた叔父の気持ち、
君には分かんないだろうけど、
この取引で、叔父の会社は多大な利益を見込んでいた。
それがあの日の夜でパァだよ」



本郷の父親の経営している会社はかなりの規模で、
食品から機械の細かい部品まで
様々な分野で手広く商売を営んでいるらしい。



それが、弱小企業に契約をもっていかれれば、
さぞ悔しいことだろう。


でもそれは、ビジネスの世界ではよくあることなのではないか。
他の企業に出し抜かれたのは、誰のせいでもないはずだ。




「じゃあ、・・・・本郷くんが・・・僕に近づいたのは・・・最初から・・・」



「ああ、わりぃな。橘家の弱みを握って契約解除を撤回させることが目的だよ。
ま、ヤリたいって思ったは本音だよ。気持ちよかったなぁ・・・お前ん中・・・」

「・・・っ!」


うっとりと呟き、信哉の太ももに手を這わせる。

今度は明らかに不快だった。




(そんなことのために僕は・・・。)



そんなことのために、信哉は利用されたのだ。
しかも、凌辱されるという最悪な方法で。





本郷たちにとっては「そんなこと」ではないのかもしれない。



だが、企業努力もせずに、ただただ橘家を恨んで、
なんの関係もない信哉を使って脅しをかけるなど、
最低な人間のすることだ。


本郷の会社は、
こんな類の手腕で企業を拡大してきたのだろうか。

もしかしたら世間に知らされていないだけで、
本郷グループに泣かされてきた中小企業はたくさんあるのかもしれない。


だとしたら今回のケースだって自業自得だろう。





信哉は本郷のことを信じていた。


初めて、心を許せる友達ができたと思ったのだ。

憧れていたのに、尊敬していたのに、
そして好きだと言ってくれたのに、
それは全部、橘の弱みを握るため、仕組まれたものだったのだ。




今思えば、本郷を心の底から頼れなかったのも、
最初のキスをふいに拒んでしまたのも、
もしかしたら、本能がなにかを悟っていたのかもしれない。





久世の運転する車が信哉の住む屋敷の中へと入っていく。

厳重警戒があるが、すんなりと通された。
どうやら事前に久世が連絡をしていたらしい。



ということはつまり、いつもこの時間、
居ないはずの兄が、帰ってきているということ・・・。




数人の使用人が出迎えており、
うち一人が下りた久世に代わって車を来賓用駐車スペースへと運転していく。



「久世様、信哉坊ちゃまをわざわざ送って頂きまして、恐れ入ります」


久世の手前、使用人たちは、
聞いたこともないような声で応対し、三人を京一郎の待つ
応接室へと案内した。










応接室へ通されると、京一郎が窓の前に背を向けて立っていた。



こちらへ振り向く際の、ゆっくりとした動作がとても威圧的で、
信哉だけがそれに怯えた。


「用件は?もう貴方がたに話すことはございませんが?」

信哉の存在はまるでないものかのように、
一瞥もせずに久世に冷たく言い放つ。




信哉の知らないところで、
何度も何度も話し合いがもたれたのだろう。
京一郎の決心は揺るがないようだった。




「相変わらずだね〜。でも単刀直入にに言うよ。
契約解除を撤回してもうらおうか」


以前までとは違い、打って変わったような久世の無礼な話し方に、
京一郎は一瞬怪訝な顔を見せたが、
すぐにいつもの冷静な顔に戻る。


「それはできないと申し上げたはずです」

京一郎は冷たく言い放った。


京一郎の話では、やはり本郷の会社は
自分たちのブランド力に胡坐をかいていたようだ。

コストダウンを図る為の粗悪な品も、
ネームブランドで高く売れる。
その状況に高をくくり、企業努力など一切しない。

価格に見合うよう質の改善を求めても、応じてくれなかったらしい。


しかも今回、橘が本郷に依頼した健康食品の製造過程でも落ち度があり、
それすら隠ぺいしようとしたのだ。

それらを総合的にみて、本郷は悪質だと判断し、
援助を打ち切ると決めたようだ。




いつも信哉を嬲るときの荒い言葉ではなく、
落ち着いた丁寧な口調に、信哉は知らない人を見ているようだった。



だが、久世の余裕な態度は変わらない。



「いいのかな〜〜〜そんなこと言って・・・」

「・・・?」


久世が、デジタルカメラを掲げてみせた。


それを見た信哉がビクリと身体を震わせるのを、
京一郎は見逃さなかった。



「ねぇ、橘さん・・・この中に、何が収められているかわかるかい?」

「・・・何でしょうか・・・?」

久世が不敵にほほ笑む。


「いやいや・・・まさか・・・。
血の繋がった兄弟でそんなことになっているなんて・・・・ね」


「!!?」


さすがの京一郎も表情が変わった。


「弟さんが教えてれたんですよ・・・。兄弟で許されない関係だってね」


京一郎の目が見開かれる。




「この中にね、その証拠が入っているんだよね。
映像も音声もばっちり・・・・どうする・・・?・・・京一郎くん」

見開かれた京一郎の瞳は信哉を映し出す。

京一郎に凝視された信哉は、
恐怖のあまり指一本さえ動かせないでいた。


「お礼・・・言わなきゃ・・・・ね?うちの孝雄が、
信哉くんの『お世話』になっちゃって・・・」

「・・・・何を・・・言っている・・・っ!?」


「なんなら、君の弟くんの大事なとこ、いつものように突っ込んでみなよ。
もう準備万端だよ?君以外の男のザーメンでうるうるだしね。」

「なに・・・・!?キサマ、どういうこと・・・・!」

「おっと!」



久世に掴みかかろうとして交わされる。



「その、一部始終をね、しっかりとカメラに収めてあるんだよね〜。
・・・・ねぇ、こういうの悦ぶ人がいるよね〜。
ネットに流したっていいんだよ。・・・ねぇ、どうする?
誰よりも体面を気にする、橘家の社長代理さん・・・」

「――!」


「あと、乳首・・・相当弱いみたいですよ・・・知らなかったでしょ・・・」

そう耳打ちすると、恐ろしいくらいに綺麗な笑顔で微笑んで、
何事もなかったように本郷を伴って帰っていった。



そして、そこにはただ一人、
小刻みに震える信哉だけが取り残されていた。


8へ
こ、今回はここまで。久々の更新でした。

あいかわらず、展開が早いっつーか、下手っつーか、内容が薄いっつーか。

いや、でも今回は心を鬼にして書きました。
でも、メイン人物を追いつめるのって、結構楽しかったりなんかしたりして〜〜★

もう少し、信哉が本郷の本性に気づくの、
後にしようとか思ってましたが、せっかちな私には無理でした。

ていうか文章能力上、これが限界です。はい。


2010/09/01
2015/05 修正