誰にも言えなくて9

京一郎に与えられる快楽を、信哉は遠慮なく貪る。




「あ・・・!ああっ・・!兄・・・さ・・・・っ!そこっ・・・!」

「あ?ここを・・・なんだ?」

「やあっ・・・・!あん・・・・!」

「あん・・・じゃなくてよぉ、ここをどうして欲しいんだ?」



分かっているのに意地悪く、
信哉の感じるポイントをわざと生緩い動きで攻める。



「そこ・・・を、もっと・・・強く、突いッ・・・あああ!!!」

信哉がおねだりの言葉を言い終わる前に、
京一郎は、信哉を容赦なく貫いた。


何度か注がれた京一郎の体液が、動くたびに卑猥な音を立てる。



突き入れる度に、熱い杭に押し出された体液が、卑猥に飛び散り、
その度に信哉は、京一郎の背中に強くしがみつき、爪を立てた。



「ひ・・・ああっ・・・ん!・・・いいっ・・・気持ち・・いい・・・!」


信哉の淫猥な声が、その可愛らしい唇から洩れる。

その声を聞けば聞くほど、京一郎の動きはさらに激しくなっていく。





「気持ちいいのか・・・?」

「ん・・・もち・・・いいっ・・・あっ、あっ、あっ・・・!あっ!!」

「・・・・・あのガキよりも・・・・?」


そう言った京一郎は、突然のその熱い猛りを引き抜いてしまった。



「や・・・兄・・・・さ・・!」


「どうなんだ?あのガキとオレと・・・どっちがいいんだ?」

「・・・兄さん・・・っ」


ひやりとした空気が秘口をかすめ、ヒクヒクと疼く。

催促をするが、兄はそこに滾る自身を突き入れようとはしない。


くねくねと腰をよじらせ、もどかしさを京一郎に伝えても、
京一郎は中へ挿ってきてはくれない。


だが、京一郎が揶揄するように、
自分は淫乱だと開き直った信哉に戸惑いはなかった。



「兄さん・・・・、挿れて・・・!挿れてっ!」

「オレの質問に答えられないやつに、コイツはやれないなぁ・・・。」


「やぁ・・・こすってぇ・・・・!」

「つーか、お兄様、だろ・・・?」

「や・・・兄さん・・・挿れて・・・!気持ちよく・・・してっ・・・!」



信哉の腰は、無意識に卑猥な動きを繰り返し、京一郎を誘う。


長大に猛りきった京一郎の勃起に、細身の自分の性器を擦りつける。



信哉の可愛らしい性器が、
京一郎のグロい勃起に、ぬらぬらと擦り付けられる様は、
どうしようもない興奮を京一郎に与えた。



だが京一郎も、興奮が増せば増すほど、
どうしても信哉にその言葉を言わせたかったのか、
信哉のおねだりをとことん無視する。



「信哉・・・答えろよ・・・・。オレのとあいつのと、どっちがいい?」



そんなの決まってる。


本郷から無理矢理貫かれた時、
無意識に必死に兄に助けを求めた。





ここへの侵入を許されるのは、もともと京一郎だけだったのだ。





本郷に貫かれた時、とてつもない絶望感に苛まれ、胸が苦しかった。



そして再び兄が自分を貫いた時、
あきらかに、信哉が感じたのは安堵だった。



だけど、信哉はその気持ちを封印する。
その感情は、忘れなけらばならない。



期待したところで、自分に幸せは訪れない。



どうせ自分は淫乱なのだ。

ただひたすら兄の欲望に貫いてほしかった。




ただ、それだけのために、必死だった。

「お兄様」と、意識して呼べないほどに、必死だったのだ。




「兄さん・・・!兄さんっ・・・!」

自ら京一郎の首にしがみつけば、
勢いがよかったのか、
そのまま京一郎を押し倒すような格好になってしまった。




いつもは見上げてるいる兄の顔を、今は信哉が見下ろしている。



何がなんでも兄が欲しかった。



視線を下にずらした先には、
いつも、信哉を凌辱する猛りがどくどくと脈打っている。

その猛りを、信哉は自ら口に含む。



いつもはあんなに嫌だった行為なのに、
今は、コレが欲しくてたまらない。

ぴちゃぴちゃと卑猥な音を立て、
教え込まれた舌技で兄の分身を愛していく。



「兄さんの・・・兄さんのがいいっ・・・・!」


コレを挿れてもらえるのなら。
これで気持ちよくしてもらえるのなら、なんだってする。




「これ・・・・が・・・いいっ!」

兄のペニスにたくさんのキスをする。



キスして舐めて、咥えて吸って、必死に奉仕する。



「ほ・・ん郷くんの・・なんかより・・・兄さん・・・のがずっといいっ!」

そう囁きながら、必死にしゃぶる。


「兄さんのが・・・、兄さんの・・・が、・・・気持ちいいっ・・・のっ・・・!」


どす黒い欲望が、信哉の可愛い口にぱくりと食まれていく。


「だからっ・・・これ・・・僕に挿れてっ・・・!」

ぺろぺろと、小さな舌が、大きなカリにまとわりつく。



「これが・・・」


そこまで言って、いったん途切れた。






しばらくの間をおいて、信哉は、



「・・・・・好き・・・」


そう呟いた。




信哉は兄の熱を、ぐ・・・と掴むと、自ら秘部に当てた。


呟いた言葉に、どれほどの想いが込められたとしても、
まったく意味のないことだ。



でも、もういいのだ。

これで・・・最後なのだから。


ゆっくり腰を下ろすと、兄の猛りは何の抵抗もなく、
ずぶずぶと、自分のなかに沈み込んでくる。



「・・・あっ・・・・!」

「・・・信哉っ・・・・」


京一郎も、思わずため息が漏れる。

下から突きあげてくるような感覚に、
いままで感じたことのない快楽が信哉を支配する。



「あっ・・・・!」

自然に腰が動く。



一番感じる部分に熱を擦りつける。



「ああっ・・・兄さん・・・・!」


体重がかかる分だけ、今まで味わったことのない快楽に、
信哉はただただ妖しく乱れる。



「あっ、あっ、あっ、ああっ!兄・・・さんっ・・・!」


拙い腰の動きに、京一郎の興奮もどんどん煽られていく。
時折、下から突きあげれば、一際甲高い声で信哉が啼いた。


「そうか・・・オレのがいいのか・・・・」

吐息混じりに聞かれれば、


「んっ、兄さんのが・・・いいっ・・・!」

と返す。




「兄さんのじゃ・・・・ないと・・・だめっ・・・・!」

「・・・信哉・・・」


つかの間の信哉の主導権。


だが、身体が反転し、
再び兄の下にねじふせられる。


また、覆いかぶさった兄に、上から叩きつけられるように貫かれ、
拙い自分で動くよりも溶けてしまいそうな快楽が押し寄せる。




「ひっ!ああっ・・・!あっ!あっ!」

「オレじゃないとダメなのか?」

「あ・・・兄さん!兄さん!」

「答えろ・・・・っ!」


「あっ・・・ああっ」


何度でもそう言わせたいのか、
兄の攻めはどんどん激しいものになっていく。

その激しい攻めに、信哉はとうとう意識を手放した。


意識を失う間際、自分には兄しかいないのだと、
強く強く、心からそう思った。














信哉が目を覚ますと、いつものように、自分のベッドの上にいた。

さっきまで、兄の部屋で交わり合っていたはずなのに、
まるで夢であったかのように記憶が曖昧だ。



だが喉の渇きにベッドから起き上がろうとして、
膝ががくりと崩れ落ちた。


腰も重だるい。

あの行為は夢ではなかったのだ。





なんとか部屋の備え付けのサニタリールームへ向かう。

乾いた喉を潤し、落ち着いてから、鏡に映った自分を見てみれば、
体中に赤い跡が散らばっていた。



以前ならば、それを見る度に複雑な気持ちに襲われていたはずなのに、
今の信哉は、そんな淫らな自分の姿に満足している。

兄によって遺された、一つ一つの跡が、こんなにも愛おしい。





思うままに、兄に応えた。
思うままに、自分の心にも応えた。



もう思い残すことはない。



シャワーを浴びて身を清める。


兄の残滓を掻き出し、
排水溝に流れていく様子に涙が出たが、
これでいいのだと自分に言い聞かせる。



ココに来たときのバッグを取り出し、
最小限必要なものを詰め込んだ。

・・・といっても、もともと、自分で持ってきたものなんて、
母の写真と、ここでは着ることを許されなかった
少しの着替えくらいだ。




そのバッグを肩にかけ、部屋を出る。
もっと早くにこうしておくべきだった。



橘家の体裁なんて、今の信哉にはもうどうでもよかった。















以外にも、あっけなく、橘の屋敷をでることが出来た。

仮に気付いていても、誰も信哉の行動なんて気にも留めないだろう。






屋敷を出てから1時間半ほど歩き続け、
とある繁華街にさしかかった頃には深夜1時がまわっていた。


気だるそうにく歩く信哉は、
本人が自覚するよりずっと、妖艶な気迫を纏っていて、
周囲の視線を一気に集めてしまう。




でも、それは好都合だった。
誰か、自分を買ってくれそうな人が現れるのを待った。
ここはそういう場所だと誰かに聞いたことがあったから。


自分なんて、もうどうなってもいい。
幸せを望んだったて無意味だと知ってるから。


しいて言えば、最後に兄とセックスできただけでもよしと考えよう。


橘の体面なんてどうでもいい。




いっそのこと、いろんな男に抱かれてみようか。

橘の息子だってことを隠さずに、淫行を続けて、
橘の名を地に落してやろうか。


こんなやさぐれた気持ちになるのは初めてだった。


自分が、男の目にどう映っているかももう知っている。
わざと胸元のボタンを外し、木を取り囲んでいる柵に腰掛ける。


淫猥な空気を醸し、
にじみ出る色気は14歳の少年とは思えなほどだ。




そんな信哉に、周囲がざわつき始める。



(僕は誰でもいいよ・・・もう・・・。)



諦めきった表情は、男女問わず周囲を刺激する。



すると、一人の金持ち風の中年が信哉に近づいた。


「・・・ねぇ、君、こんな時間にどうしたの?パパとママはどうしたの?」

欲望を必至で抑えこんでいても、下心が見え見えだ。



「・・・・。」

信哉は何も言わずに、ただ首をゆっくり横に振った。

そうして上目遣いに見上げた。
妖美な信哉に、中年男が思わず息を飲む。



「き、君・・・いくつ・・・・?」

「・・・・・・・14・・・・。ねぇ、おじさん・・・僕じゃ・・・だめ・・・・?」


男がゴクリと喉を鳴らす。


男は、たいそう美味いものでも食べているのか小太りで、
お世辞にもカッコイイとはいえない容姿だ。


このちょっと気色悪い中年男は、信哉にどんなことをするのだろう。
どんなふうに信哉を抱くのだろう。

散々好きにさせてから、自分が橘の人間だと言ってやろうか・・・?



そんなことを考えて、思わず笑ってしまう。

自分がこんなことを考える日がくるなんて・・・。




男が信哉の腰に手を回したその時、
ぞわっとした嫌悪感が全身を駆け巡った。




覚悟を決めたはずなのに、
信哉は急に怖くなったのだ。



「・・・・・あの・・・やっぱり・・・僕っ・・・・!」

その中年の抱擁から抜け出そうとしたが、男に腕を捕らえる。



「なに言ってるの?君はこういうの待ってたんでしょ?お金なら沢山あるんだよ?」

男の鼻息は荒く、信哉を捕らえる手に力がはいる。




「いた・・・・っ!離してっ!」

そう叫んだ時だった。



「おいオッサン、いい年してお稚児さん遊びかよ」

「いだだだだっ」


中年男の悲鳴とともに、信哉の腕の拘束は解かれた。

男の腕が何者かに捩じりあげられ、その痛みにうめき声を上げている。
その手が離されると、あたふたしながら、その場を逃げて行った。



信哉を助けた大きな影に、
一瞬、兄が来てくれたのだと、期待に胸が膨らんだ。


だが、

「大丈夫だった?怪我とかない?」

自分をのぞき込む、もう一人の知らない顔に、
信哉の心はみるみるしぼんでいく。

冷静に考えれば、兄が自分を迎えにくるなんてことはあるはずがなかった。



目の奥がツンとして、何も言えず俯いていると、
突然頭を小突かれた。




「こらガキ!なにやってんだこんな時間に!あぶねぇだろ!?さっさと家に帰れよ!」

小突かれたかと思いきや、
今度はいきなり怒鳴られて信哉は戸惑ってしまう。

この怒っている男はさっき、中年男から信哉を助けてくれた人だった。


見ず知らずの人から叱られて小突かれて、
激しく動揺していると、


「ちょっとタカ!いきなりそんな言い方ないでしょっ?」

信哉の顔をのぞき込んでいた、もう一人の男がそれをいさめる。



「ば・・・カズ、てめぇ、そんなガキかばうのか!?」


「『そんなガキ』、が心配で、
さっきからこの子の後をつけようって言い出だしたのはダレ?」

そう言われた男は、うっ・・・と、言葉を詰まらせる。



「ごめんね。あいつね、タカっていうんだけど、
心配が度を超すと怒っちゃうタイプなんだ。気にしないでね。
ね、君、大丈夫?・・・もしかして・・・家出・・・・?」



ちょっとタレ目な、優しそうな顔立ちに、茶色なふわふわの髪。
見るからに人の良さが顔に出ている青年。


信哉を不憫に思ったのか、その男性は
信哉を喧騒から守るように抱きしめてきた。

「もう大丈夫だからね」



その胸は、なぜかとても安心するものだった。


「おいカズ・・・!おまっ・・・!」
「はいはい、妬かない妬かない。」


その温もりに包まれ、背中をぽんぽんと、あやされていると、
なぜだか急に、熱いモノがこみ上げてきて、ついに涙が零れた。



「ほらっ!タカが怖い顔するから!!」

ふわふわ髪の男が睨むと、
タカと呼ばれた黒髪の男は、バツが悪そうに黙りこんだ。


「とりあえず、なんか訳ありみたいだし、ウチに連れて帰ろ?いいでしょ、タカ?」



「そいつがやだっつっても、引っ張ってでもウチ連れて帰るぞ。
ガキを、こんな所に放ってけねぇだろ!」


なんだかんだ言いながらも、どうやらこの男も人が良いらしい。



「ね?君、ウチにおいでよ」

ふわりとした、その優しげな雰囲気に信哉の心は一気に溶かされる。
気が付けば、その男の胸にしがみつき、わんわんと泣き声をあげていた。








信哉が連れてこられたのは、小さな木造のアパートだった。
小さな電球で照らされた入り口には、「サンハイツ」と書かれていた。







中に案内され、小さくなって正座している信哉に、
ちょうど飲みごろのミルクココアを淹れてくれたのは、
以外にもタカと呼ばれてた、ちょっと怖い方の男だった。



「おら飲め。どうせお前も、お子ちゃまベースだろ?」

ニヤリと嫌みに笑いながら信哉の前に置くと、何故だか、カズと呼ばれているほうが、
ぷうっと頬を膨らませる。


「ありがとうございます・・・・」



この二人の雰囲気に、
信哉はこの二人だけの独特な絆を見た気がした。




「で?お前はどこの誰なんだ?ボーズ。」

タカは、プシュッとビールを開けると、喉をならして飲み始めた。




「・・・」


答えないでいると、今度はカズが問いかける。


「ね、せめてさ、下の名前だけでも、教えて?」


「・・・・・信哉・・・・」

「そっか、信ちゃんか」



にっこりと笑うカズをみると、心がほわん・・・としてくる。

「ほら信哉、早く飲まねぇか、せっかくオレが飲みごろに淹れてやったんだぜ」

「あ・・・、ゴメンナサイ・・・!」



いきなり呼び捨てな放漫な態度が、とてもよく似合うのはタカ。
それでも嫌みを感じないのは悪気がないからなのか。


ちょっとだけ、雰囲気が兄に似てる・・・そう思ってかぶりを振る。


兄の事は忘れると決めたのだ。
あの屋敷に戻ることも金輪際ない。


そう思って、ココアを一口すする。


「あ・・・・美味しいっ・・・・」

温度といい甘さといい、
ちょうど良い加減の状態に信哉は感動すら覚えた。


「だろ?当たり前だ!」



「もう、タカ!」
「へいへい」



「ぷっ・・・!ふふ・・・!」

二人のやり取りに、思わず信哉から笑みがこぼれる。
今まで、信哉の周りにはいなかったタイプだ。


「やっと笑った」


カズが信哉の頭をぽんぽんと軽くたたく。
それと同時に、盛大に信哉のお腹が音を立てた。


「あ・・・・・!」


「大丈夫だよ。なんか作るね、タカが」

「オレかよ!」


「え?僕が作っていいの!?」


ちょっと嬉しそうなカズを見て、なぜかタカが青くなった。




「や、俺が作る!お、お前は信哉の面倒みてろ!」


だめ、この二人面白い・・・!


「あははっ・・・!」

まるでコントのような心地よいテンポに、
笑わずにはいられなかった。

こんなに声に出して笑ったのは、本当に久しぶりかもしれない。


「よし、待ってろよ、俺様がとびきり美味いもん作ってやるからな!」

信哉の笑顔に気を良くしたらしいタカはそう言って、
微妙に似合うエプロンを身につけ、キッチンに立った。



初めて会ったのに、
びっくりするくらい違和感なく馴染んでいるのは、二人の持つ人柄のお陰だ。




前から知っていたかのような錯覚に陥る。
まるで本当の兄弟のような。


とは言っても、実兄から手酷い仕打ちを受けていた信哉には
本当の兄弟がどんなものかは分からない。





でも、きっと世間一般の兄弟ってこんな感じなのかなと、
例え偽りでもいいから、この家族のような雰囲気をずっと味わっていたい。


そう思った。













「ごちそうさま・・・!」
タカの作ったご飯はとても美味しかった。


久しぶりにお腹いっぱい食べた。


例え豪華食材を使っていても、髪の毛や虫の入った料理より、
冷蔵庫の残りものでも、美味しいものを作ってあげたいという、
心のこもった家庭的な料理の方が、ずっとずっと美味しい。


3人でおしゃべりしながら、食べるごはんは、本当に美味しかった。






疲れている信哉に、ゆっくりお風呂に入った方がいいからと、
カズが湯を張ってくれた。



歩き回ってかいた汗を流し、昔ながらのタイル張りの湯船に浸かる。



「・・・兄さん・・・・・」


一息ついたとたんに、急激な喪失感に襲われた。


忘れると決めたのに、どうしても兄の顔が頭からはなれない。






「信ちゃん、一人で大丈夫?」

カズの声にドキリとする。

「あの・・・大丈夫・・・です・・・」



ガラッと遠慮なく開けられた扉に動揺する。



自分の身体には、京一郎に散らされた朱がたくさん散っているのだ。




「でもっ、あのっ、カズさんっ・・・!」



でもカズは遠慮なく入ってくる。

「・・・!」


見れば、カズの身体にも、同じようにたくさんの痕が付いていた。

やっぱりタカと、そういう関係なのだろうと信哉は察した。

カズも、信哉の身体を見ても、
悲しそうな顔をしただけで、あえて何も聞かなかった。
聞かずに、カズはにっこりと微笑んだ。



「洗いっこしようっか」


カズは、信哉の身体や頭をやさしく洗ってくれて、
バスタブに浸かってると、きゅ・・・と抱きしめてくれた。








どうしてだろう。

なぜかカズの胸の中はホッとする。
包み込むような暖かい感じ。




「信ちゃん・・・辛かったね・・・。でももう大丈夫だからね・・・
ずっとここにいてもいいんだからね・・・」


「・・・・・・っ・・・・」


さっきも散々泣いたのに、その一言で、また涙が出てきた。
カズの胸にしがみつき、信哉はすすり泣いた。

なにも聞かないが、信哉の身体についた痕をみて、
あらかた察しがついたのだろう。



その間、カズは優しく頭を撫で続けてくれた。




タカの、「のぼせるから早く上がれ」の声を合図に、慌てて風呂からあがる。


風呂から上がると、タカが清涼飲料水を用意してくれた。

少しのぼせてしまった身体が心地よい潤いで満たされる。

今まで、自分が味わったことのない、
甘えることが許されるという感覚。


その日は、3人で川の字になって眠りについた。







10へ
相変わらず変な展開で(-_-;)え〜、コホン!

なんと、生意気にも、ゲストに、「サンハイツ」のタカとカズを登場させてみました。
全体的に、世界はどっかで繋がってる感が好きなんですよね。
タカとカズが、誰だか知らない方は、ぜひ、「サンハイツ」を読んでみてくださいね!

や、今以上に文章が下手なので、読んでほしいような、ほしくないような・・・。



2011/02/13
2015/05 修正