かわいいおまえ 中編

はい、変態の出番です。

かわいいおまえ4 〜愚息の反乱〜


 


(さっきまでぐずっていたが・・・どうやら眠ったようだな。)




佳郎はほっとして、入れていた力を抜いた。



どうも今日は、一日中、力(リキ)が入っていたように思う。






14年ぶりの弟は、
放り出されたままで成長してきたせいか、どうにも精神が不安定な様子だった。



会った時。ここへ来た時。
ずっと佳郎を警戒していたようだったが、やはり血の繋がりがあるせいだろうか?
今は、佳郎の腕の中でスヤスヤと寝息を立てている。



ごめんな、と思う。



お兄ちゃんは、お前のためにクールなお兄ちゃんでなくてはならないんだ!!と。





だから、これからも、勇太には厳しいことを言っていくだろう。





でもきっと、それはこの子には伝わっている。
口では説明できないが、確信できる何かがあって。



それに・・・。
さっき、カタコトながら、お兄ちゃんと呼んでくれた。
暗くて見えなかったが、きっと顔が真っ赤だったに違いない。


それが、すごくうれしくて。


ニヤニヤニヤニヤ・・・・


カチッとライトを点けて、照明の度合いを低くする。



照らされた勇太の寝顔を眺める。




あああ〜〜〜〜・・・。なんて可愛いんだ・・・。
感嘆の溜息を洩らす。



勇太の寝顔は鼻血が出そうなほど可愛い。



相変わらず睫毛が長くて。
頬もすべらかそうで。
唇も相変わらずキュートで。



全体的に母親似ではあるが、父親のスッとした感じも
なんとなく引き継いで・・・いなくもないような気がするので、
佳郎は、なんとなくでもいいから、自分と似ている部分を探す。



けど、そんな部分は見当たらないけど。



兄弟は、本人同士はお互いが似てない!と言い張るが、他人からみたらソックリ、
なんてこともよくある話で。


自分と勇太もそんな感じなんだろうかと思いながら勇太の頬をそっと撫でる。



ああ、思ったとおりすべらかだ・・・!



勇太は口をもぐもぐさせている。
それが・・・それが、可愛くて可愛くて・・・!!!



可愛い鼻を摘まめば、うぅん・・・と可愛くうめいて、佳郎の手から逃れようとする。



ああっ、神様ありがとう・・・!




信じてもいない神に祈る。
勇太を、俺の手の中に返してくれてありがとう、と。


こんなに、こんなに可愛い。



なんでこんなに可愛い子を放っておけるのか、バカ母の心境が理解できない。
や、でもそのおかげで、俺の勇太は俺に還ってきた、と、感謝すべきなのか??



佳郎は、少し開けられた勇太の唇へと指を伸ばす。
触れればそれは、想像以上に柔らかくて・・・。
いや、弾力に富んでいるのか・・・?


そして思わず。






ちゅっ・・・。













・・・・・・・。





「・・・・・・・・・・・・・はっ!!!」





無意識だった。



俺は・・・俺は今何を・・・?



佳郎は自分の行動に驚く。



いくら、いくら、むしゃぶりつきたいくらい可愛い勇太の唇だからって!!
勇太は弟だ!!

 


佳郎は確認するように言い聞かせる。



ところが、

ところが、だ。







おいおい、待て待て、マッテクレ!!

佳郎は焦る。


 
イヤ、マテ、ソンナハズナイ・・・!




いや、だが、確実にそれは、起こっていて。




そう、


言わずもがな「愚息」の反乱である。





いやいやいやいや・・・・!!


いやいやいやいやいやいやいやいや!!!そんなバカな!!


落ち着けっ俺!!

佳郎は深呼吸する。




いいか、俺。

こいつをよく見ろ!俺の弟だ!!





そうして勇太の顔を見れば、愚息はどんどん違う方へと興奮していく。





ダメっ、ダメだ、俺ぇぇぇ!!



だが佳郎の愚息は、勢いよく硬く大きくなっていく。


 
あああ、これでは俺は変態ではないかっ!



だが、弟に欲情を示す己の体の反応は否定できない。





そして。



勇太の上に覆いかぶさると、じっと顔を見つめたあと、再びその唇へ自分のものを重ねる。
舌でこじ開けると、それはすぐに開かれ、するりと中まで侵入できた。



「ん・・・・ふぅ・・・」



うめきはするが、よほど深く眠っているのだろう。
目を覚ます様子はないようで。



それを確信すると、起こさないように舌を食んで吸って、勇太の歯の裏に舌を這わせる。




・・・・・。ああ、だから!!
勇太は俺の弟!!


お・と・う・と!!!



ただ・・ただ極悪にかわいいだけで!!



かろうじて正気に戻ったが。


 
佳郎の脳内は暴走していた。

これだけ暴走していても、
傍から見れば何も考えていないかのようにクールに見えるから不思議である。






(よし、トイレに行こう)



そろりと起こさないようにベッドを下りて、トイレに向かう。



履いていたボクサーパンツごと下ろすと、愚息は勢いよく飛び出してくる。



・・・・・ここまで育ったか・・・弟で・・・。
ヘソまで反り返るほど反乱を起こしている愚息にそっと手を触れる。



両手で扱き始めると、先端に先走りの粒が玉を結ぶ。
それをまた塗りつけ、くびれと、先端の割れ目と、自分の感じる部分に指を這わせていく。



「・・・は・・・勇太・・・」



無意識に名を呼んでいた。

もしこれが勇太の指だったら?





もし、これを、勇太のあの可愛いお口が・・・・!





あああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!



っと、叫ぶのを、必死で心の中だけに抑える。


かろうじて、妄想を自力で強制終了させた。



いや、でも。あの生意気な可愛いクソガキを調きょぅ



うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!





これも必死で遮断した。





だが、叫ぶのは押さえられたが、別な部分はもう、
白い液体の放出を押さえられなかったようだった。




それから2回ほど処理したあと、部屋へと戻った。





相変わらず、ぐっすりと寝ていた勇太は可愛くて。
その横へ、するりと入り込むと、勇太の腕が絡みついてきた。


「・・・・・っ」



今日だけ・・・!今日だけだから・・・と、佳郎は愚息へ言い聞かせる。



今日だけ。
そして明日からは、また、厳しいお兄ちゃんとして、勇太の前に立たなくてはならないのだ。



そして、最後に一回だけ、と、自分に言い聞かせて。
佳郎は、再び勇太に、深く深く、むさぼるようなキスをした。




















かわいいおまえ5








「やぁ、やめ・・・・兄ちゃん・・・!だめっ・・・」



「ダメじゃないだろう。
お前がちゃんと育ってるか、お兄ちゃんには確認する義務があるんだよ」



「や・・・ん、ダメっ!出ちゃうっ・・・!」
「うん、まだムケきってないけど、感度はいいよいうだね・・・ほら、ここをこうすると・・・」



「あ・・・あっ、にいちゃ・・・」

「勇太・・・可愛い・・・」
佳郎の唇が、勇太の唇に触れた瞬間・・・・。



「うわ!!」


バチッと目を覚ます。




・・・・・・・・夢・・・?



「はあぁぁ・・・」

ガバッと起き上がって、勇太は盛大にため息を吐く。

「またやっちゃった・・・」


 
最近、体が変だ、と思う。
こうして、目が覚めて下着が汚れていることが何度かあって。



(確か、ムセーとか言うんだっけ・・・!??)


前に、仲間が話していたのを思い出す。

(つか、なんでいつもいつも、出てくるのが兄ちゃんなんだよ・・・?)


女の人ならまだしも・・・。


   


『お前がちゃんと育ってるか、お兄ちゃんには確認する義務があるんだよ』








下着を洗いながら、夢の中の兄を思い出して一人赤くなる。


「・・・・っ?ヤバイ・・・どうしよう・・・・・・?」






正直な話、いままで、体がこんなに著しい反応を示すことがなくて。



バカ親のせいで、Hなことは嫌いだし。





ヤリタイ盛りの10代なのにありえねぇ!などと、いつも仲間に馬鹿にされてたけど。





そうなんだけど。





佳郎の傍にいると、安心と同時に、最近別な感覚が湧いてくるのだ。
それが何なのか、最初は分からなかったけど、太は、とんでもなくヤバイことに気づきかけている。








ここへ来て約一か月。あれから、一人で寝られるように、と佳郎がベッドに天蓋を付けてくれた。


カーテンを閉めれば閉じられた空間ができて、
なんとか一人で寝られるようにはなったけど、なんだか寂しくて。



佳郎が添い寝をしてくれたときの感覚が忘れられない。


あの時の体温を思い出すと、さらに顔が赤くなっていくのがわかった。





「勇太、いつまで寝ている。早く起きなさい。」


朝食の準備をしていたらしい、佳郎が呼びに来て、あわてて洗面所から顔を出す。


「お、起きたよ!顔洗ってんの!!」





当初に比べて、だいぶ兄弟らしくなってきたとは思う。
佳郎は相変わらず厳しくて、でも、きちんと面倒をみてくれて。



 


「お、おはょぅ・・・」

「ああ、おはよう。」
最初の頃、挨拶ができないとは何事かと説教をされて以来、きちんとしているが今だに照れる。



食卓に着くと、エプロンをした佳郎が配膳をしていて、その後ろ姿にドキドキしてみたり。
ご飯を運んできた佳郎の手に目が止まって、昨夜の夢を思い出す。



あの指が俺の・・・・。



「・・・?どうした?顔が赤いぞ。熱があるんじゃないか?」

「――っ!!!!」



その手をオデコにあててきて。

「だ、大丈夫だよっ」

「そうか・・・?それより、弁当は」


「だから今日、始業式だからいらねぇって言ったじゃん!」


「・・・そうだったか?」





そう、今日から二学期なのだ。





自分が何を考えていたのかバレテしまいそうで。
佳郎の目が見れなくて、急いでご飯をかき込む。



「こら、ちゃんと噛みなさい。」

「うるさい!」

「うるさくない。ほら、ピーマン残すな。」

「やだっ!」



ピーマンを残して急いて立ち上がると、玄関へ逃げるように向かった。

「気を付けてな」
という声が聞こえたけれど、恥ずかしくて顔もまともに見られず、赤い顔のまま玄関を出た。










「ぶっはー!!勇太!なにお前その頭!!!」


「ますます可愛くなってんじゃん!!」


「う・・・うるせぇーーー!!笑うな!!」



学校に着いて早々、みんなに大爆笑された。
いつものメンツに会うのも補導の件以来で。



髪は黒く染め変えられ)、ピアスも全部没収された。
癖のある、カールした長めの前髪が柔らかい雰囲気に見せる。


そう、まるで・・・。


「まるっきり美少女じゃん!」



誰かが言って、また爆笑された。

「うるせぇ!!俺だって好きでやってんじゃねぇよ!だって兄貴、怖ぇんだもん!」



「兄貴??兄貴いねぇじゃんお前。まさか、・・・・お前、何、ソッチなの??
どーりで女に興味示さねぇわけだ。」



「違ーーーう!そうじゃなくて!!マジの兄ちゃん!・・・いるの俺も知らなくてさ。
今、兄ちゃんと暮らしてんの!
マジ怖いんだって!門限だって、7時までに帰らねぇと・・・」



「・・・7・・・時・・・・??」



「・・・・・・・っ!ごめっ・・・も・・ダメ・・・ぷっ・・・!」
周りが互いに顔を見合わせる。そして・・・


「「「「ぶっっはーーーーー!!!!」」」」


「お前ら笑いすぎだーーーー!!」


喚きつつも、いつもの顔ぶれで、ほっとする。



佳郎は近くの学校へ転校させるようなことを言っていたが、
このマンションからも通える距離だということで、その必要もなくなって。 


だからこのメンツで、また学校でバカができると思うと嬉しかった。
・・・まあ、あんまり バカしすぎると佳郎が怖いが。






「なあなぁ勇太、ところでさ、式おわったら、カラオケ行かねぇ?」

「お、いいね〜。お前らと遊ぶのも久々だしね。
じゃ、兄ちゃんにお昼、帰ってこないって連絡しねぇと・・・・」

と、言ってしまったあとで、少し後悔する。




「「「「ぎゃは〜〜〜〜〜〜!!お前んとこ最高〜〜〜!!!」」」」

「だからてめーら笑いすぎだっての!!」










「でもでも、勇タンのお兄ちゃんでどんなひと?」


「え・・・?どんな・・・って・・・」


突然、友人の一人に聞かれて、昨夜の夢をまたもや思い出してしまった。





「ちょ・・・勇太・・・おま、なに赤くなんてんだよ!?」


「ひゅ〜♪か〜わい!マジでソッチなんじゃねぇの?」





「ち・・・違っ!え・えっと、えっと、
兄貴は、熱くて・・・おっきくて・・・えと、なんとかミルク、出してくれたり・・・」


だって、体温が高くて、背も高くて。甘いミルクを作ってくれたり・・・。




「・・・・・なんとかっていうミルクを出す・・・てお前・・・!??」
「まぁ、奥さん!聞きまして!?」
「熱くておっきい上に、なんとかミルクが出るなんて・・・。
そんな言葉が勇たんの口から聞けるだなんて!」



「ふむ。性長したな〜ホロリ。」

涙を拭うしぐさで言われて。なんだか、みんなぎゃあぎゃあ言っている。


「・・・??なんでそんなリアクションなんだよ、おまえら??」



何をカラカわれているのかさえ分からずに、キョトンとしていると、





「・・・やっぱ、お前だなぁ」
「うん、勇たんだねぇ」
「自分の失言に気づかない、この初さがいいよなぁ。喧嘩強いのに。」
「そのままのお前でいてね」

口々にそう言われて。



「は〜〜〜?なんなんだよ〜おまえら〜〜!意味わかんねぇ!」


「ま、いいからいいから。」
「そ、なんかお前、可愛くなったよ。」

うんうんと頷く仲間たち。




「・・・嬉しくねぇよ〜〜。」




そう言いながらも、佳郎も、自分のことを可愛いと思ってくれているのだろうかと、ふと気になった。
そう思ってくれてたら、嬉しい。



夢の中では、可愛いと言ってくれた。
そして、キスを―――。


「・・・勇たん、顔真っ赤だよ?」


「うっせぇ、もうほっとけってば!」



キスなんて誰ともしたことないけど。
もしするなら。



する機会があるなら。 



ファーストキスは、佳郎だったらいいのに・・・。


なんて思ってしまった。 


 








 


時刻は午後3時半。


ほかの友人たちは、まだ遊びたりないようで、カラオケを出たあと、
ゲームセンターへ寄るといっていたが、勇太が帰ると言うと、
またまたみんなで爆笑しながら見送ってくれた。



いつもなら、みんなに付き合うんだけど。
門限までに、時間はたっぷりあるけど。


早く佳郎に会いたくて。


理由はよくわからないけど、友達と遊ぶより、佳郎のもとへと早く帰りたかった。





だけど。





「おっかえり〜〜!へぇ〜。君が勇太君かぁ」
「・・・え?・・・あの・・・・」




・・・・・・・・誰?



帰宅すると、兄ではなく、佳郎とはまた違った雰囲気をもつ美青年が玄関を開けてくれた。


「おかえり、勇太。以外に早かったな。」
すぐに佳郎も出てきてくれたけど。



「え?ああ、うん・・・ただいま・・・えーと・・・」



「ふふふぅ〜。ぼく?ぼくはねぇ。やだな〜そんなに警戒しないでね〜。
先生とはね、高校からのお友達の、平(タイラ)っていうの。よろしくね〜ユータ君」

「はっ!やめろ。お前に『先生』なんていわれると気持ち悪い。」



・・・なに、この二人・・・。



・・・つまり、この男は佳郎の高校時代の同級生で、今は、作家と担当、という関係らしい。
二人の話し方や、態度、互いの距離感からして、相当、仲がいいようで・・・。



「ねねね、ゆーたクン甘いもの好き?ケーキ食べる??」
「は・・・はぁ・・・。」


ちょっぴり引き気味の勇太を気にせず、
平は慣れた様子でキッチンからケーキ皿とフォークを自分で持ってくる。



「ほらほらぁ、手ぇ洗っておいでよ。ぼく、準備しとくから。」
「・・・・・・・はぁ・・・」



・・・なんだろう、この感じ・・・。
なんか引っかかる感じ。
何かモワモワしたものが胸に広がっていく。



「ヨシロー。あの香りのフレーバーコーヒーは?」
「ああ、あれなら、あそこだ。」
「あ〜、あそこね、ほーい。OK〜〜!」



「・・・・・・・。」
二人の間に交わされる、自分にはわからない会話が、なんだか面白くなくて。



「はい、どーぞ。お砂糖は3個くらい?」
「はぁ、どうも・・・。あの、俺、部屋に・・・」
「イーよ〜気にしないで。簡単な打ち合わせにお邪魔しただけだから。」



なんだか、自分がお客様扱いされてる気分になってきて、じりっと何かが胸に焼きつく。



そりゃ、高校からの付き合いとなれば、血の繋がりがあるとはいえ、
会って一か月の自分より、平の方が親しくても当然と言えば当然だけど。



そうなんだけど・・・!



少し離れて座って、勇太は二人のやり取りを黙って見ていた。



時折、二人とも真剣な顔になったり、佳郎が駄目出しされているかと思えば、平が押されたり。
そして、笑いあったり・・・。
勇太の入り込めないバリアがあるみたいで。



お互いに、すごく自然体で。



勇太の胸のモワモワは強くなるばかりで。



ホントに面白くない。



 














   








「あの、平って人と仲いいね。」
なんとなく面白くなくて、平が帰ったあと、思わずつぶやいた。



「ああ、長い付き合いだ。
15の時出会ってからずっとだからな。もう15年か・・・。人生の半分はあいつと生きてるな。」
夕食の支度にとりかかっていた佳郎が、時間が過ぎるのは早いと言った。



「ふーん」
「・・・・・・・どうかしたか?」
「別に。」



佳郎の目も見ずに答える。
なんでだろう。ほんとに面白くない。
ほんとに何でだろう。






「あのさ、兄ちゃん。」
「なんだ?」
「今日、兄ちゃんと一緒に寝たい。」
「―――っ!」
野菜を切る手が止まった。



「・・・だめ??」
「だ・・・ダメだ・・・!」



「・・・・なんで?」
「なんでってお前・・・」



なんで?なんて、勇太自身が一番聞きたかった。



なんで?
なんで一緒にいたいの?



でも、理屈じゃなくて。







胸のモワモワはぐるぐるしていて。



最初に出会った時みたいに、何がなんでも、佳郎と一緒にいたくて。



「だって・・・一緒がいいもん・・・」
「・・・あのな、高校生にもなる男の子が、いつまでも兄貴にべったりもおかしいだろ?」



「いつまでもじゃないじゃん!
あん時以来言ってねぇじゃん!・・・あれから、ずっと一人で寝てきたもん・・・。」 
や、当り前のことかもしれないけど。



「勇太、あのな」
「だって今日は、兄ちゃんと一緒がいいもん・・・」

今まで、こんなに甘えた言葉、使ったことないのに。 
ホントに、ほんとに何でなんだろう?


 
 


お兄ちゃんと一緒。




そのことが。
そのことが、なんでこんなにも嬉しいんだろう。



ああ、本当に、とんでもないことに気付いてしまいそうで。





それでも、そうなってしまっても。


不思議とそれを、怖いとは思わなかった。





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当初の予定をいろいろすっ飛ばしました。

当初の予定通りだと、Hシーンにいくまで「10」までかかりそうだったので却下しました。

予定変更で、お兄ちゃん、次は暴走です。