サンハイツ前編



ここはサンハイツ。東京某所にある木造二階建ての201号。
僕、内場一成(ウチバ カズナリ)と、
幼馴染の北条鷹時(ホウジョウ タカトキ)が、ここで一緒に暮らしている。



高校卒業後の一年間は、それぞれ勉強しながらバイトをして金を貯め、
この春揃って二人で新潟から上京してきた。



保育園で出会ってから19歳の今に至るまで僕たちはず〜っと一緒で、
唯一無二の大親友。



経済的な負担を減らせるし、鷹時が同居する、という条件で、
母さんより上京するお許しが出た。

昔っから鷹時の方が、僕より信頼されてるのは複雑なんだけど。



だけど。



「タカがいてくれるから、寂しくねぇよ。」



寂しがり屋なだけじゃなくて、生活能力ゼロだったりする僕を、
鷹時も放っとけないようで、せっせと世話を焼いてくれるわけで。


部屋は別々にあるんだけど、僕が鷹時の部屋に入り浸っている状態。
今日も一緒に大学の課題に取り組み中。




やっとインターネットもできるようになって、勉強も一段とはかどるようになった。



・・・まぁ、たまにHなサイトとか見たりもするけど、僕にはちょっと刺激が強すぎたり・・・。





「ほれ、飲めよ。『お子ちゃまコーヒー』」

一服しようと、鷹時が淹れてくれたコーヒーは、砂糖とミルクがたっぷりで。
よくこんなもんが飲めるなあ、なんて言う鷹時は、もちろんブラック派だ。




・・・大人だなぁ。




「そういやタカ、新しい彼女できた?」

ブラックコーヒーを啜る鷹時は、ホントに大人びてて、
カッコいいからついつい聞いてしまった。

昔からモテたっけ、なんて思い出しながら。




「あ?嫌味かよお前。できてりゃお前なんかと一緒にいるわけねぇだろ」

「あ、それもそうだね。・・・てか、なんかひどくない?その言い方。親友様に対してさ。」


ぷうっと頬をふくらませて、べー、だなんて舌なんか出してみる。

「かわいくねえよ」

「かわいくてたまるか!」


なんでも言い合えるこのテンポがたまらなく好きだ。



「つーかさ、カズ。お前はどうなんだよ。好きな子できた?」

「・・・いたけど、なんか告白とかめんどくさいっつーか・・・。」

「あいかわらずお子ちゃまだなぁ。
そんなの好きって言わなくね?ま、チェリーじゃしょうがねぇか。」

「う、うるせえ!」


人が気にしてることを!!



「あ、そういや、お母んがチェリーの缶詰送ってきてたな。食うか?」

「いらねぇっ!!」

「あそう。じゃ、オレ一人で美味しいチェリー食おっかな♪」

「うっせぇ!!チェリーチェリー言うな!!」

「じゃあ童貞。」

「―――っ!!!」

「あははは、真っ赤!」



からかいながら笑っている鷹時は、そりゃあもうかなりの場数をふんでいる。
嫌というほど見てきてるからさ。



いつだったかな「女がほっといてくんねーから困る」なんて言ってたっけ。

・・・く〜!僕も言ってみたい・・・。
でも!だからって!いくら自分が経験豊富だからって!!



「つーかソノ気になんねぇんだろ、お前の場合。童貞うんぬん以前にお子ちゃまだもんな。
コーヒーも、砂糖とミルク、たくさん入れないと飲めないんでちゅよねー♪」



この手の話題でこれみよがしに、そんなに意地悪いわなくても!!


「う、うっせぇ!バーカ、バーカ!」

「あははは、お子ちゃまお子ちゃま〜♪」



くっそう!今に見てろ!そのうちカワイイ彼女をゲットしてみせる!


「よーっしゃ、じゃあお兄さんが、イロイロ教えてあげよっか?」

「遠慮しときます。つーか何がお兄さんだ。誕生日、僕より遅いくせに!」

「まあまあ♪」



にっこり微笑むこの顔は、男の僕でもドキッとしてしまう。

・・・女の子がほっとかないはずだよ・・・。


「・・・お、おい!タカ!」

いつの間にか鷹時の腕が僕の腰に回されていて・・・!さすがタラシ!
なんつー早業。さりげないにも程があるよっ!



「いいか?こうやって耳元で囁くんだよ・・・」

「ひゃっ!ばかっ!くすぐってぇよ!」

「うわ〜色気の無ぇ反応!」

「だってくすぐってぇんだもん。」

「・・・だもんっ、てお前・・・。まぁ・・・・・お前にムードを教えようとした俺がバカだったよ。
ああ、あれだ。お前はこう・・・、もっと強引に行け!こうやって・・・」 



うおっ!?

なんか一瞬、宙にういたような感覚が・・・。

そして。

ドサッと柔らかいものの上に放り出される。



あ、あれ?・・・ここ、ベッドの上・・・?

いつのまにか、ベッドに押し倒されていて・・・。
悪ふざけの延長で、鷹時が笑いながら覆いかぶさってきた。



「いいか?カズ。意外と、強引なのが好きだったりする女の子だっているんだぜ。
そういう子にはこうして・・・」

「!!」



ドキン・・・!



顎に添えられた手に。


近づいてくる顔に。



不覚にも・・・・。


心臓が・・・!



やばい。僕、今、絶対顔赤いよ・・・!



「タ、タカ、おま・・・悪乗りしすぎ・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・タカ?」

さっきまで僕をからかってたのに。



悪ふざけしていた鷹時の動きが止まって、急にだんまりになった。
いつになく真面目な、ううん、真面目っていうより、
なんかこう・・・戸惑っているような、そんな顔。

初めて見る表情・・・?



そんな顔を間近でみられるなんてって、そんな呑気なこと考えてる場合じゃなくて。



「おい、タカってば!教える気ないんならどけよ!重いってば!」



「・・・なあ、カズ・・・」

「何だよ!?」

「なんか・・・・・」



どうしたんだろ?いつも、大概のことには動じない鷹時の眼が、いつになく泳いでる・・・?
なんか本気で困ってる?



「・・・・・・・・タカ?」

「カズ・・・・・・・。お前ってさ・・・」

「・・・・???」






「・・・・・・・・・・・こんなに・・・・・・・・・可愛かったっけ・・・・・?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?




今、なんつった?

か、可愛い!?

こ、この状況で言う台詞か!?


あ!ああ、そうか、そういうことか!こういう風に女の子に言えってことか。
だって、こんなにドキドキしてる。僕・・・・・・男なのに・・・。



「な、なるほど〜、こうやってタカは女の子口説くのか〜」

なんとなく気恥ずかしくて、少しおどけた感じで言ってみたり。でも・・・。



「・・・や、そうじゃなくてよ・・・・」

「も、もう分かったからさ、どけよ」




いたたまれなくて、恥ずかしくて、僕は鷹時を押しのけようするんだけど・・・。

「タカっ、いつまでふざけてんだよ。お勉強ごっこはもう終わりだかんな!」



いつまでもどいてくれない鷹時に、僕はだんだん不安を覚える。
なんか・・・なんかいつもの鷹時じゃなくて・・・。



「うわぁ・・・。お前さ、マジで可愛いわ。」

動きを止めていた鷹時の手が、また動き出して、指が僕の唇に、ふ、触れてきて・・・。



「さ、さっきは、可愛くないって言ってたじゃん・・・!い、色気も無いって・・・!」

「さっきはさっき。だって、今可愛いって思ったんだから、しょうがねぇだろ。
なんかさ、このうろたえっぷりがたまんねぇっつうか、男の嗜虐心をそそるっつーか・・・。」




どうしよう・・・。


どうしよう、どうしよう、どうしよう!!!


どうしたらいい?経験無いから、こんなとき、どうかわしていいのかわかんない!





「・・・ゆ、指・・・やめて・・・っ。くすぐったいってば・・・」

「何?気持ちいいの?カズってもしかして感じやすい?」

「・・・ばっ・・・!!!」



だ、誰―――!?こいつ誰!?僕の知ってる鷹時じゃないよぉ!!

「やめっ・・・、タカっ・・・!!」

必死でもがくんだけど・・・。



「あ、なんかやべぇ。」

何が――――!?ナニがやばいの!?

あれ?・・・えっ!?ちょっ、ちょっと待て!待て待て待て!!!




な、なんか、なんか・・・か、
硬いものが、硬いモノが、ア、アタッテルンデスケド・・・・!?



「なあカズ・・・・、いい?」



い、いいいいいいいわけないだろう!?



でもっ、声が出なくて、僕は魚みたいに口をパクパクさせるのが精一杯で・・・。
どうしよう。ホントにどうしよう!



その間にも、タカの顔はどんどん近づいてきて・・・。
ああ、それにしても、ホント、むだに整った顔してんなぁコイツ・・・。じゃなくて!!!



見惚れてる場合じゃないだろ僕!!

っつーかうるさいよ僕の心臓!!

ドキドキし過ぎっ・・・・!

僕はぎゅっと眼を閉じた。これ以上、鷹時の顔を見ていられなくて。


チュッと何かが唇に触れる。・・・何か、なんて分かってるけど・・・!



知らなかった。
唇ってこんなに柔らかいんだ・・・なんて妙に関心してみたり。



ゆっくり離れてく唇が、なんだか惜しくて、
そっと眼を開けると、また僕の知らない顔をした鷹時が見下ろしていて・・・。


不覚にも、ドキリとしてしまったりして・・・。


「・・・そんな顔してるってことは、OKってことだよな・・・?」



・・・そんな顔って・・・?
僕は今、どんな顔をしてるの?



「・・・いいんだな・・・」



どうしよう・・・。


口の端を片方だけ上げて、ニヤリと笑う鷹時。


どうしよう・・・・。嫌じゃないなんてどうしよう・・・。


だって鷹時、カッコいいよ。だからつい、


「・・・うん」

なんて言っちゃうんだ・・・。





















「・・・んっ・・・!やっ・・・!」

「ヤじゃねぇだろ・・・」



なんでさっき、うん、なんて言ってしまったんだろう・・・。
後悔してももう遅かった。



だって・・・・だって!
こんな女の子が出すみたいな声が、僕の声だなんて信じたくなくて。



「お前が、いいって言ったんだからな・・・」

ニヤリと笑って何度も唇を吸い上げる。

し、しし舌まで入ってきて・・・!!!



ななななんでこんなことするの!?

なんて思うんだけど、慣れている鷹時の濃厚なキスは、僕の抵抗を奪うには十分で。



だって僕の知ってるキスは、さっき鷹時がしてくれた、触れるだけのキス・・・。


なのに、実際は。



「はっ・・・ふぅ・・・っん・・・!も・・・タカっ・・・!」


逃げても逃げても追いかけてくる舌に、とうとうつかまってしまって。
からめとられた僕の舌は、導かれた鷹時の口の中で、快楽に嬲られている。 



甘噛みされて。

吸い上げられて。

鷹時が僕のと混ざり合った唾液をごくりと飲み込んで。



飲み込みきれなかった唾液が口の端からこぼれおち、それすら鷹時はなめとっていく。



口の周りがべとべとになって・・・
わざと、いやらしい音を立てて、それでいて嘘みたいに気持ちいい。



僕、こんなの知らない・・・!




「やっぱ可愛い・・・おまえが気持ちよさそうにしてるの・・・なんか嬉しい・・・」

言いながら鷹時は、感心するくらい器用に僕の服を脱がせていく。



露わになった胸元から、お臍へ向かってと人差し指でツーっと撫でられて、
その刺激すらぞくりとするほど気持ちよくて、体がピクンって反応してしまって。


反応してるのはもうそこだけじゃないんだけど・・・。



「カズ・・・腰上げて」

「ん・・・」

言われるままに腰を上げると、下着ごとスルスルと脱がされていく。



「ほ〜・・・」

なにか感動したようにつぶやかれて、
散々キスされてトロンとなった瞳で鷹時を見上げた。



あ!

急に羞恥が込み上げてくる。

だって・・・!



「タ、タカ・・・!で、電気・・・!電気消し・・・・んっ・・・!」

却下だ、とでも言うように唇を塞がれる。



「やだっ!タカっ・・・!電気、消して・・・!・・・あんま・・・見ないで・・・!」

再度の舌の蹂躙から解放されて目を開ければ、
鷹時が僕の体をじっと見下ろしていて・・・!



僕は恥ずかしくて。


だって、部屋は明るいわけで・・・!
僕自身だって・・・あきらかな反応しちゃってるわけで・・・!
恥ずかしすぎて、なんだか涙まで出できて・・・。


「うわ〜・・・いいねぇ。新鮮だねぇ、この反応。」

ちゅっと、僕の涙をキスで吸い取っていく。



「あ〜、そういや俺、処女相手にすんのって久しぶりだわ。」

処っ!?
男の僕に処女だなんて!でも・・・!


「お前の裸なんて見慣れてっけど・・・認識を改めて見るとすげぇエロいのな」


そして不意打ちにも。


「ひゃっ・・・やっ!タカ!!!」

ちょっと待て・・・!なんで、なんで僕の、ち、ち、ちく、…乳首・・・舐めるの!?



そりゃ、僕だって女の子のおっぱいとか・・・す、吸ってみたいって思ったことはあるけど・・・! 

あるけどさ!!



「やぁ・・・やん・・・!」
「昔からよく風呂とか一緒に入ってたりしたのになぁ」


やめて!舐めながら喋らないで・・・! 



「でもそんときゃ、おっぱい舐めたいだなんて思いもしなかったのになあ。」

片側も手で捻るよういじられて。



「あっ・・・ん!う、うそ・・・!?やぁ・・・!」


こねられて、吸われて、歯を立てられて、爪を立てられて。
男なのに、じんっとした快感がダイレクトに下半身に突き抜けていく。



「でもってすげぇ感じてるし?」


「いやああっ!!」


僕は驚いて思わず叫んでしまった。
だって・・・、だって鷹時が・・・!鷹時が・・・!!


「あっ、あっ!ひぅっ・・・!」
「ここだってさ、今までは、ただ剥けたな〜くらいにしか思ってなかったし?
まさか、こうやってしゃぶる日がくるなんてね。」 



そう、さっきから起ち上がっていた僕自身を、鷹時が・・・!!



「もう、はな・・・して」



「あはは〜ウソでしょう一成く〜ん。こ〜んなにお汁たらして〜。
説得力ないよ〜?ほ〜らべとべとじゃん」



そういって僕のこぼした蜜を、舌を絡めて舐めとっていく。


むき出しの先端の溝にそって、丁寧に舌先で嬲られれば、
快楽といやらしい蜜がどんどん溢れてくる。


「あっ、ああん!タ、タカっ!!」

初めて他人から与えられるソコへの刺激が、いきなり口の中だなんて!



ああ、でも、でも・・・!

鷹時の口の中・・・すげぇ気持ちいいっ・・・!!!


「ふ・・・ぅん・・・!タカ・・・ああっ!」

「どうしちゃったのかな〜?カズくん。さっきからあんまりお話できないみたいだねぇ」



おまえはオヤジかーー!!なんて突っ込む余裕があるはずもなく。

僕はどんどん追い上げられていく。



そして。
イきそうになった瞬間に、
今まで僕自身を包んでいた温もりが、あらぬ場所へと移動した。


 
ぞわりと、体が震えた。



「お、おい・・・タカ!?何すんだよ!?」

だって・・・そこは・・・!そこは決して・・・!



舌を這わせるべきところではなくて。

「だめっ、タカ・・・っ、おしり・・・汚いっ・・・!」

「そ〜なんだよな〜。汚ねぇって思わないのが自分でもびっくりよ?」



柔らかい舌が、こじ開けるように中に入ってくる感覚に全身が粟立つ。


でも、そんなところに施される処理も気持ちよくて。

なのに。


「イっ!!痛って!!」


せっかく気持ちよくなっていたのに、硬いものの侵入に現実に引き戻される。



「いてぇよ!タカ・・・指抜け!!!」

「 え?でもこれやんねぇと、おまえのが辛いぜ」


優しく動かしてくれてるのはわかるんだけど・・・でも痛いものは痛いんだ!



「女だってイキナリはぶち込めねぇよ?
男のコならなおのこと、ちゃーんとほぐさなくちゃね。」


男のコの「コ」、の部分を強調して僕をほぐしていく。

唾液と自分でこぼした蜜でうるおっているソコに、もう一本指を増やされて、
確実に、僕は鷹時と一つになる準備を施されていく。



・・・ねぇ、なんでそんなに余裕なの?

いっぱいいっぱいなのは僕だけで。

僕はなんだか悔しくて。





「・・・いてぇよ・・・!バカ・・・!」





ただ、ただ、痛みに耐えたんだ。



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