アレイの話




私には、愛してやまない方がおります。

私が愛しているそのお方は、唯一無二の美しさだと謳われる、この国の第二王・・・ビューイ様でございます。





「あっ・・・ああん・・・アレイっ・・・アレイぃ・・・!!」


「・・・ビューイ様・・・はしたないお人ですね・・・私のような身分の低い物に貫かれて感じているなんて・・・・」




毎夜、繰り広げられる秘め事・・・。私だけに許されている行為・・・。


まるで下剋上。




「だめっ・・・アレイ・・・!・・・僕を・・・抱くときは・・・様って、つけない・・・約束っ・・・あっ!」



「そうでしたね・・・ビューイ・・・そんなどうでもいいことに・・・・気がつかなくなるくらい悦くしてあげます・・・
さぁ・・・集中しないさい・・・愛しい王よ・・・」





私は、愛しいビューイの、一番敏感な部分を特に愛しました。
それはもう、しつこく しつこく、私の硬く、反り返ったモノで、



王が泣き出すほどに・・・愛しました・・・。




「あっ・・・あっあっ・・・ああっ・・・んっ!」


ビューイの愛おしい声は、私の牡に火をともします。






白く美しい肌が、紅色に染まり、汗でしっとりと潤おい、美しいプラチナブロンドの髪が乱れ、
美しい声で、私の与える快感の度合いを奏でる私の歌姫・・・・。







なぜ、私にそこまでしてくださる・・・いえ、


私がこのようにすることを、許してくださるのか・・・・。

不安だからこそ、私はいつも、同じことを、ビューイにささやくのです。




「ビューイ・・・・許しませんよ・・・。私以外の誰が・・・ここを貫くことは・・・断じて許しません」
「ああ・・・んああっ・・・アレイ・・・!・・・アレイ・・・だけぇ・・・・!」
「ええ、そうですとも。もし此処を・・・・」
「ひあああんっ!!」


私は一層強く突き上げる。





「誰かに許そうものなら・・・・」
「あっ、ああっ、あっ、あっ!!!」



「このアレイ・・・あなたを殺しますよ・・・・ビューイ・・・・」
「ん・・・・ああああっ!」






耳元でささやけば、返事の代わりに私自身を締め付ける可愛い人・・・。




「ビューイ・・・・私だけのビューイ・・・!」





一介の、部下が。
身分の低い私が。



ただ、身の回りの世話を、専属ですることを任されただけの私が。





熱い熱液を、第二の美しい王の中へと注いでいく・・・。








「あ・・・・ああ・・・アレイ・・・熱・・・ああ・・・いい・・・・!」 





私のビューイは、男性はおろか、女性すら抱くとことはない。








だが。
ただ一人を除いては。




私が愛する人に、愛の証を注ぎ終えたとき、その音は鳴った。




 コン コン コン コン コン





偶然なのか、あるいは、タイミングを見計らったか・・・・。




連続して5回鳴らされるノック音。
それが、誰を意味するのか、私は知っている。




「・・・・アレイ・・・ごめん・・・下がってくれ・・・・・」


ここを訪れた人物・・・・・私以外に、このビューイと身体の奥と奥を繋げる人物。



もう一つの、ビューイにとっての唯一無二の存在。


 
「・・・かしこまりました。」



私が、一介の部下に戻らざるを得ないただ一人のお方。





私は言われたとおり、奥の扉から、愛しい人の部屋を後にし、その扉の奥で王をお守りするのだ。








そして聞こえてくるのは、私には向けられるのと、違う声色のビューイの声。








「どうしたの?リーン・・・入っておいで・・・?」
「・・・・兄さん・・・オレ・・・・・」







そう。



女性すら抱かないビューイが、唯一「抱く」相手。



実弟のリーン様。





奥に控えている私の耳に、二人が深い口づけを交わしている音が響いてきた。





いえ、いいのです。



私は、決して、リーン様に嫉妬はしておりません。








この兄弟に、異常な程の「兄弟愛」は存在しても、「恋愛」は存在していないのですから。








弟の苦しみ・悲しみを、兄のビューイが抱いて慰める。
昔から、この兄弟の間で行われてきた慰め方。





ビューイ様が唯一抱く存在。







だから私は、ビューイ様に言ったのです。
いえ、誓わせたのです。






「私以外の者が、貴方の此処を貫くことは許しません」


と。



あくまで、ビューイ・・・あなたを「抱く」のは私だけであると。
貴方がそれさえ守って頂ければ、あなたが、最愛の弟を「自ら貫く」ことなど・・・。


 


ええ・・・。


 


あなたがリーン様を抱くことだけは、私は目を瞑りましょう・・・。









「ああっ・・・ん、に、兄さん・・・あっ・・・・あっ・・・・」
「くすっ・・・リーン・・・・すごい・・・びしょびしょ・・・・」



「あん・・・兄さん・・あっ・・先っちょ・・・・だめ・・・!」



「ふふ・・・ここが一番好きなくせに・・・」
「違・・・・っ」
「違わない・・・だってリーン、すごく僕を締め付けてるもの・・・」



「あっ・・・!だめ・・・!そこ・・・いじったまま・・・動かないで・・・兄さ・・・ああ!!」
「だめ・・・動くよ・・・だってリーン・・・可愛いもの・・・・」


「あっ・・・あっ・・・・ん・・・ひっ・・・!」









「リーン様も・・・初めての時より、だいぶ感じるようになってきたみたいですね・・・・」



壁越しに聞こえてくる、愛しい人が抱く相手の声を、私は冷静に分析していました。
いえ、むしろ、その声は、私を煽るには十分で・・・。




なにせ、私のビューイが抱いて喘がせているのですから・・・・。
なにせ、私のビューイの、実の弟君でいらっしゃるから・・・。





・・・リーン様・・・申し訳ありませんが・・・・・使わせてもらいますよ・・・あなたの声・・・・。








壁越しに響く、リーン様の喘ぎ声と、その声を上げさせている声の主の、息遣いを糧に・・・
私は、まだまだ張り詰める自らの怒張を、扱き立てたのです。



ビューイの話
これも、とりあえず 此処まで。メインの4人の人物の関係はこんな感じです。