ゆずれないモノ 13完結



「ちょ・・・紅ちゃんどうしたの!?それ・・・・!!」





正月は実家で過ごし、
数日ぶりに山野に会った亜月は、開口一番にそう叫んだ。



「ああ、メガネ?これ、昨日届いたんだ」

「じゃなくて髪!!」


やけに小ざっぱりした頭に驚いた。


あれほど、髪を切ってと言っても切ってくれなかったのに。



「ああ、だってアレは、コスプレの為に伸ばしてたから・・・」

ほら、もう終わったしねと言いながら、
自分のさっぱりした髪に手を当てる。


伸ばしている理由を言い淀んだのもコスプレが理由らしいが、
本人も実は切りたくて仕方なかったらしい。


髪を切り、メガネの新調し、亜月の選んだ服を身に纏って
スッキリとした清潔感のある好青年になった山野だが、
やはりどこかが惜しい。






じ〜っと山野を見つめ、違和感を探す。


「あ・・・これだ・・・・」




そう、それは山野の野暮ったい眉毛。




眉毛を整えるだけで、
人の顔はずいぶんと印象が変わるものだ。



「え?やだよめんどくさい!
一回やったら、ずっと整えなくちゃいけないじゃないか・・・・」



でたよ、山野お得意の「めんどくさい」。

山野は、フィギュア作製とかインテリア、掃除などはマメだが、
どうも自分に手間を掛けるのを面倒がる節がある。



「いいじゃん!お、俺が、ずっと紅ちゃんの眉、整え続けてやるからさ・・・」

なんだか、プロポーズみたいな事を言ってしまってから、
急に恥ずかしくなった。

山野をそれを感じたようで、すごく赤くなっている。




「わ・・・わかった・・・じゃ、お願い、しようかな・・・」


ボサボサノ眉を整えてやり、
ついでに髪も、ワックスで少し整えてやると、
あっと間に、スタイル抜群の爽やか青年の出来上がりである。



(うわ・・・別人・・・・・)


元が元だけに、完全に美形にチェンジとまではいかないが、
これはかなりの変身だと思う。

中の上・・・いや、恋人の欲目かもしれないが、
上の下くらいにはなるのではないか?



この鍛えられたボディラインなら、
振り向く女性は必ずいるはずだ。


これなら一緒に歩いても恥ずかしくないし、
むしろ、このナイスバディを亜月が自慢したいくらいだ。


「こないだのコスプレの時よりカッコいいよ」

「そ、それには触れないでくれるかな?」



きしし、と笑いながら、
山野の手を引き、デートへと出掛ける。



イベントの収入が大きかったので、
今日は山野が奢(おご)ってくれると言ってくれたが、
いつも山野の家で御馳走になっているのは自分なので、
今日は亜月が全部負担しようと思っていた。


いつもしてもらうのが当たり前だった亜月が、
こんな風に、お返しするという考え方ができるようになったのも、
山野のお陰だ。


自分を甘やかす、家族や坂下、西川の傍も居心地はいいが、
やっぱり、ダメなものはダメだと、
はっきり自分を制してくれる山野の存在はありがたい。








そしてデートの行先は、
男二人で行くには、ちょっと違和感のある大きなテーマパークだ。



二人とも絶叫マシーンが大好物ということが分かり、
大はしゃぎで全マシーンを制覇した。


ここまで弾けている山野を見るのは初めてで、
亜月は新しい発見をしたみたいに嬉しくなってくる。




楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、
すでに辺りは暗くなってきた。


「尾辻さんが言っていたけど、鹿児島と東京って、
日が沈むのに、1時間くらい時間差があるんだって」



暗がりを利用して、人気の少ない場所を手をつないで歩く。


「1時間?」

「東京の方が早いらしいよ。この時間だと、
鹿児島はまだ明るいんじゃないかな?
日の長い時期とか、夜8時前とかでもうっすら明るいらしいし
・・・本当かわかんないけど」


その話を聞きながら、
亜月は南国で二人で夕日を眺める場面を想像して、
鹿児島に行ってみたいなと、そう思った。


「ねぇ、夏にさ、鹿児島に行ってみないかい?
本当にその時間まで明るいか、確かめてみようよ。ちょっと暑いだろうけど・・・」


「えっ?」

「あ・・・嫌なら別にいいんだけど・・・」

「いや、そうじゃなくて、同じこと考えてたらからちょっと驚いただけっつーか・・・」


同じ事を考えていたのが嬉しかった。


「よし、じゃあ決まりね!ちゃんと南国でもご奉仕するからね」

「・・・今日は、してくんねーの?」


そう聞き返すと、繋いだ手に力が込められた。



暗がりで見えないが、
きっと山野は、ふふんという顔をしていたに違いない。













近くのホテルで宿を取り、
数日ぶりに山野と抱き合う。

去年の暮に、亜月のマンションでした時以来だ。




「やっぱり今日は俺が奉仕するわ。紅ちゃんは寝てて」


そう言って、山野の着ている服を脱がしていく。
自分が選んだ服、というのがまたいい。


しっかりした腹筋がライトに照らされて
亜月の胸が高鳴った。

自分が以前されたように、
乳首が見える位置まで山野の服をたくしあげる。


「へへ・・・紅ちゃんのおっぱい・・・」


山野に馬乗りになり、
盛り上がった大胸筋を揉むように手を添えて、
山野の乳首を指でクリクリと刺激した。


「・・・っ・・・こ、こらっ・・・」


「え〜気持良くない?」


「くすぐったい・・・・ふはっ」


(何ぃ!?女なら悦がって喘ぐのに、くすぐったいだとう!?)

亜月に火がついた。
絶対に山野を喘がせてやる!





山野の胸の突起への奉仕を開始する。




「ひはははっ」



胸にむしゃぶりついて、舌でころころと転がしてみるが、
くやしいことに山野は笑うばかりだ。

かなりくすぐったいらしい。

思いっきり吸っても、やはり笑うだけだ。


「痛っ!」

甘噛みしても痛がるだけで、ぜんぜん気持良くなってくれない。




どうやら、山野は乳首は全く感じないようだ。

(くっそ〜〜面白くねぇ・・・・!)


いつも自分だけが、あんあん言わされているので、
亜月の負けず嫌いがむくむくと湧き上がり、
この前山野が、かなりいい感じに悦がってくれた
下半身へとターゲットを移す。



履いているものを全て取り払うと、
さんざん乳首をいじり倒したのに、だらんとしている山野自身に腹が立った。



「ちょっとこれ、どういうこと〜!?ちっちゃい!」




まだ縮んだままの山野のモノを握ると、
ぷにぷにとした感触が面白くて気持いい。

自分にも付いているが、
興奮すると、これが伸びて太くなって硬くなる。
そう思うと、いつも生命の神秘に感心する。


それが他人のものなら尚更面白くて、
ぷにぷにと感触を楽しんだり、
横に揺らして、ぷるぷると振ったりして遊んでみた。


「こら、亜月・・・遊ばないでよ」

でも、勃っていない山野のものを
こうして凝視するのも初めてな気がして、
柔らかいからこその感触と動きを楽しむ。



本当に面白くて、しばらくオモチャにして遊んでいると
当たり前だが、だんだん硬く、大きくなってきた。




「おっきくなった」

「亜月が触るからだよ・・・」


目を細めて亜月を見る山野は、
イメージが変わったせいか、まったく知らない人みたいでドキドキする。



「じゃ、ペロペロするね」

「・・・・っ」


亜月は、硬く育った山野の勃起にぱくりと食らいつき、舌を這わせた。



前にも思ったが、
山野のペニスを舐めるのは全く苦ではない。
むしろ大好きだ。



西川のモノを強要されそうになったときは
正直、吐きたくなる程凄く嫌だったのに、
どういうわけか山野のモノだと、
舐めたくて舐めたくて堪らなくなる。





「んっ・・・・」

山野のものに奉仕しながら、
自らも感じてしまい、声が出る。



山野も感じているようで、時折、甘い溜め息を漏らす。


愛おしい猛りから溢れる蜜を、
音をたてて舐めとり、味わっていく。

「ん・・・紅ちゃんの、おいしい・・・・」


蜜だけじゃなくて、この猛りそのものを
そのまま咀嚼して呑み込んでしまいたい衝動に駆られる。



「・・・っ、亜月っ・・・・・」



血管が浮き出て、幹が一際太くなる。



感じてくれている山野に嬉しくなり、
亜月は、愛を込めて一生懸命に舌を這わせた。


だが、亜月の瞳に、ある種の企みが灯る。



亜月だって男の子だ。

これまでは散々、女を抱いてきた経験豊富な牡なのだ。


それなのに、いつもいつも意地悪されて、
喘がされて、啼かされて。

恋人としては満足だが、牡としてはかなり悔しい思いをしているのだ。




一番敏感な先端に、ねっとりと舌を這わせると、
山野の、うっ・・・っと息を詰める吐息が聞こえた。




亜月も先端が弱いように、山野もここが弱い。




そこから溢れる蜜を茎全体に塗りつけて扱いてやりながら、
亀頭を集中的にペロペロしてやる。



「はっ・・・、うっ・・・・・」


「紅ちゃん・・・気持ちいい?」


「き・・・もちいいっ・・・はうっ・・・」


亀頭を口に含んで、思い切り吸い上げる。



「ああっ・・・」

そのまま唇を上下に動かし、
そしてお約束のローリングで攻めた。


「亜月・・・でるっ・・・・」


「らーめ」

咥えたまま却下し、
根元の指に力を入れた。



「ひっ・・・亜月っ・・・・!」


そう、いつも亜月が苛められているので、
今日は、ご奉仕という名の仕返しなのだ。



山野をイカせないように指で根元を塞き止め、
亜月はもっとも敏感な山野の先端に
丹念に舌を這わせて山野に快感を与える。




高速で舌を左右に動かし、そしてまたねっとりと口に含んで吸い上げる。


「はぁっ・・・まって・・・」

山野の快感に喘ぐ声が色っぽくていい。



亜月自身もだんだん興奮していくる。

そして、こっそり買っておいたピンクのロ−ターと、
ファーで出来た手錠を取り出し、山野とベッドをそれで繋ぐ。



「へ?ちょ!?亜月!?」


抵抗を封じた後、
まずはスイッチは入れずに、
ローターで山野の先端を、くりくりと刺激する。

山野の見ている前で、スイッチに指を添えた。



「あ・・・亜月・・・待って・・・待って・・・やめて・・・」

やめてという懇願の中には、
明らかに期待が見え隠れしている。


自分でも、顔がにた〜っとしているのが分かった。

その亜月の顔を見て、ひきつる山野の表情を確認すると、
亜月はローターのスイッチを入れた。



「ひあぁあっ・・・・」



モーターの振動で、快感が一気に全身を貫いたらしく、
山野の身体がビクンと、痙攣する。


「あっ、あっ、・・・っ、亜月っ・・・・はぁっ・・・!あぁっ」



(うわぁ・・・・紅ちゃんの喘ぎ声、やべぇ・・・・!!)


ローターは、山野の蜜にまみれながら
山野を絶頂へと押し上げようと振え続ける。


ただ、根元に巻きついた亜月の指が、放出を許さない。


もう何度も、亜月が山野からやられていることだ。
イキたくてもイケないもどかしさ、辛さ。

気持ちいい状態がずっと続くと、それは恐怖になる。


ぶい〜んという、鈍いモーター音と共に、
ローターをまんべんなく先端全体へと滑らせていく。




「あっ・・・亜月っ・・・頼むっ・・・・あっ・・・!」

「ね、紅葉・・・俺ね、お前に言わせたいセリフがあんの」

「あぁっ・・・!」


容赦ない振動が山野を追い詰める。


「ね、紅葉・・・イカせてください、御主人様って言ってよ」

これは、一番最初に自分が言わされた言葉で、
実は、少し根に持っていたりするのだ。





いつも苛められてばっかりだから、これくらいはいいだろうと、
今まで散々山野を、オタクだ不細工だと苛めていたことは棚に上げて、
相変わらず、そんな身勝手なことを思う。




ローターが柔らかい先端を、細かい振動で犯すと、
どんどん蜜が溢れ、山野の身体はびくんと大きく跳ねる。


蜜の垂れてくる竿を、亜月は舌で舐め取っていく。


「あぁ・・・イカせてよ、亜月くんっ・・・・」

「ちゃんと言ってよ・・・」

山野の呼吸は、はぁ、はぁ、と荒くなり、快楽を逃そうとしているようだ。


「亜月・・・イカせて・・・指・・・・解いて・・・」

一際低い声で山野が呟くと、
その声が亜月の下半身に響く。





「亜月の中で・・・イキ・・・たいな・・・っ・・・うっ・・・」


「・・・・・」



「亜月様の・・・中で、い、イカせて・・・ください・・・」


「・・・っ!」


さらに低くて甘い声で、懇願される。
これは、卑怯だ。


亜月の下半身がズクンと疼く。


「紅ちゃん・・・ずるい・・・」

ローターのスイッチを切ると、
亜月の方こそ待ち切れなくて、
そそり立つ猛りの上に跨り、自らその熱を呑み込んでいく。


「あっ・・あっ・・・・」


「ああっ・・・亜月・・・・・!」

亜月の重みで一気にぐんっと貫通すると、山野はすぐに中へ熱を放った。


腰が揺れ、腹筋が振るえ、呻きながら熱を放出している様が
エロくてたまらない。

両手を囚われ、息を乱している恋人は、
尋常ではない色香を放っている。




しばらくそんな恋人を見つめていると、
亜月の中がキュンと疼いた。

「ん・・・」

その締め付けに、山野もまた復活を果たす。


「あっ!・・・あっ、あっ・・・・!」

自分で腰を揺らす前に、下から思い切り突きあげられて、
深く抉られ、快感が突き抜ける。


激しい下からの突き上げに、
亜月もまた、あっという間に達してしまった。

そのまま、くったりと山野の胸にもたれかかり、息を乱す。


「亜月、これ外して」

「・・・・やだ・・・・・」



なんだか悔しくて、意地悪してしまう。

「・・・解いてくれたら、もっと気持ちよくしてあげるから・・・」

耳元で、卑怯な取引を持ちかけられた。



「外してくれたら、亜月のココを・・・、
・・・あんなことしながら、ぐちゃぐちゃに掻き回して・・・・・気持いいだろうなぁ・・・・」


「っ・・・・!」


「亜月はきっと・・・可愛い声で・・・啼いて・・・僕を幸せにしてくれるんだ・・・」

「〜〜・・っ」


声だけでも亜月は犯されていく。

エロい声が亜月を刺激し、
そして襞が、期待に収縮しては山野に絡みついて、自分で育てていく。


「あ・・・いい・・・亜月が僕のをキュっ、キュッてしているよ」

「・・・して・・・ねぇよ・・・」


「・・・してるよ・・・すごく絡みついてる・・・」

「・・・やっ・・・」

低くて厭らしくて、下半身にもろに響く声が亜月を支配していく。



「ほら亜月・・・外しなさい・・・」


「〜〜っ・・・・!」


「あ〜つき、外して・・・?」

その甘美な声音に、全身が総毛立つ。

「・・・・・・・・・・はい・・・・」



この目で、
この声で、
命令されると、亜月は逆らえない。

まるでそんな風に、調教されてしまったような錯覚を覚える。



付属の鍵で山野の手錠を外す。


どんなお仕置きをされるのだろうと、
それこそ期待と恐怖がない交ぜになる。




亜月が悪戯したあとのお仕置きは、
いつも散々な目に遭う。




よほど不安そうな顔をしていたのか、
山野は、安心させるように亜月を押し倒し、
優しくキスをしてくれた。




「ん・・・・」

安堵のキスに夢中になり、
山野の舌を必死で吸う。



「ん・・・・・・んっ!?」


尻に違和感を感じるが、山野のキスは止まない。


そのまま何がぐちゅ・・・と挿ってきて、
抜き差しされるそれが山野の指だと分かった。

でも、何ががいつもと違った。



違ったけれど、
節くれだった山野の指が、中でばらばらと動かされると
気持ち良くなって、もっともっと太い熱が欲しくなる。

愛撫はそっちのけでもいいから、
はやく山野の大きなペニスに突き回されたい。

「紅ちゃん・・・・の・・・挿れて・・・・」


キスの合間にそう囁くと、山野は意味ありげに微笑んだ。



「紅ちゃん・・・・?」


唇が離れ、糸を引く唾液が生々しい。



「亜月・・・これ、な〜んだ」


「・・・あっ・・・!」

山野の手には、さっきのローターのスイッチが握られていた。

ということはつまり、先程尻に感じた違和感の正体は、
このローターというこだ。

「待って、待って紅ちゃん・・・ひっ・・・・!やぁ・・・やぁっ!」


山野がスイッチをオンにした瞬間、
閃光のような快感が亜月の身体を駆け巡った。



断続的に細かい振動が前立腺に送り込まれ、
腰が勝手に跳ねる。




「やっ・・・・紅ちゃん!あっあっ」




「まだ、弱だよ?弱でこれじゃあ、強だとどうなるのかなぁ」

そんな恐ろしいことを言いながら、
山野は微笑んでいる。



「いやっ、いやっ・・・紅ちゃんごめんなさいっ・・・ごめんなさいっ」



弱い振動でも敏感な前立腺には相当の刺激だ。
すでに腰を跳ねさせているのに、これ以上強くされたらどうなってしまうのか。



以前、ホテルで、玩具を使って一人でしてしまったときの記憶が蘇る。


無機質なものに抉られて何度も達した虚しさと、
あのときの発狂しそうな快感を思い出す。

「お願いやめて・・・強く、しないで・・・」

だが、懇願虚しく、山野は亜月を見下ろし、
不敵に微笑むと、亜月の目の前で強度を一気に上げた。


「ひっ!!あーーっ・・・・・っ!・・ぁ・・っ!!」




強烈な振動が一気に前立腺に送りこまれ、瞬時に達する。


「ひっ・・・やっ・・・やぁ!!あっ!あっ・・・!」

山野の目の前で、
こんな小さな機械に悦がり狂わされる姿を見られたくなかった。


でもその振動は何度もその身体を突きぬけて、
亜月の身体は何度も大きく痙攣し、白い体液が尿道から次々に噴き出している。


嬌声を上げる口は閉じることができずに
唾液が頬を伝う。






「やら・・・あっ・・・いやっ・・・・・」



呼吸も乱れて上手く喋ることができないが、必死に言葉を紡ぐ。

「ひあっ・・・んっ・・・やだっ・・・・紅ちゃんが・・・いいっ・・・」




だが、そう訴えた瞬間、ローターが入ったままなのに、
山野は自分の猛りを亜月に挿入してきた。



「ひっ・・・・・!!!」



「ほら・・・僕がいいんでしょ・・・・?」

「あっ!嫌っ・・・挿れぢゃ・・・だめっ・・・!」

そのままぐぅっと奥までローターを押しこまれる。

「いやぁ・・・あっ・・あっ」


「でももう、挿っちゃった・・・。
あっ・・・いい・・・僕にも振動が伝わるから・・・凄く気持いい。
ほら、亜月からもぎゅっぎゅって絞られて・・・
先っぽはビリビリして天にも昇りそうだよ・・・」


さらにグンっと大きくなった熱杭を、山野は少しずつ動かし、
中の粘膜を擦っていく。


「ひあっ、あぁっ」


打ち付けられる度にローターがいいところに当たり、
気が遠くなりそうになる。



「だい・・・じょうぶ、・・・イッてもいいよ・・・こんどは塞き止めないから」



「ああっあっあっんあっ」

「好きなだけイキなよ・・・・僕がたくさん、擦ってあげるから・・・」

シーツをギュッと掴み、逃げようとするが
山野の腕力に捉えられてそれも叶わない。


「やぁ・・・紅ちゃん・・・ごめ・・・さい・・・ごめん・・・なさい・・・」


訳も分からずただひたすら謝る。


「もう・・・生意気なこと・・・しないからっ・・・許して・・・・」

「・・・だめ、まだ許さない・・・。生意気な亜月にはまだまだお仕置きが必要だから」

激しい注挿と、緩慢な動きが繰り替えされ、
互いの体液でシーツはぐちょぐちょだ。


気持ちが良すぎるのは、すごく怖い。

ただひたすら叫んで許しを請う。



それでもローターと山野からの攻めは止まず、
何度も何度も亜月は絶頂を迎える。



視点が合わず、耳もどこか遠い。



目の前で閃光が走り、そして白くなった。



それでもすぐに揺すり起こされて、
さらに激しい快楽を与えられ、亜月は泣き叫ぶ。



「いやらっ・・・もう・・・ゆる・・・して」


喘ぎはもう完全に啼き声になり、
ひっくひっくとしゃくりあげる。



「やらぁ・・・怖いよぉ・・・・あぁっ」


怖くて怖くて、咄嗟に山野にしがみついた。




「・・・っ・・・亜月っ・・・!」


流石にやり過ぎたと思ったのか、はっと我に帰った山野は
慌てて自分のものとローターを引き抜いた。



「・・・ごめんっ・・・ごめんね、亜月くん・・・」

そのまま亜月を抱きしめる。





元々が、レイプがきっかけで始まった関係だったり、
互いに変なスイッチがあったりと、
そこに「気持ち」が置き去りにされて、
どんどん行為自体がエスカレートしていった結果だ。



もっと普通のセックスがしたい。



しゃくりあげる亜月の背中を、宥めるように擦ってくれるが、
まだ放出していない山野のそれは硬いままだ。


それが亜月に当たり、どくどくとした脈動が感じられた。



山野はこれをどうするつもりなのだろう。
まさか、独りで処理するつもりなのだろうか。



(それは嫌だ・・・・道具でイカされるより嫌だ・・・)



目の前に恋人である自分がいるのに、
自己処理されるほど屈辱なものはない。


「ごめんね亜月くん・・・僕、調子に乗りすぎちゃった・・・」


本当はもっと大事に抱きたいのに・・・、
そう言って、ぽんぽんと亜月の頭を撫でる。



もしかして、本当にもう止めてしまうのだろうか?
そう不安に思った時、


「今度は優しくするから・・・・」

そう呟いて、ぐちゅうっと挿ってくる山野の熱に、
亜月は泣きたくなるほど安心した。


「あっ・・・あっ・・・・」


緩やかに、でも的確に、亜月の中を擦っていく。


「あん・・・気持ちいい・・・」


今度は、山野の気遣いが伝わってくる。


もどかしいほどにゆっくり、労わるようなセックスをするのは
初めてかもしれない。



恥ずかしい言い方だけれども、
愛されていると実感できる。



そう感じたら、何故か目頭が熱くなり、涙が出てきた。
頬を伝うそれを、山野は優しく唇で吸い取ってくれる。



山野のリズムと体温に、
まるで「愛しているよ」と言われているようで、
亜月は思わず「俺も・・・」と答えてしまった。


すると、同じことを感じていたのか、
目が合った山野が「僕もだよ」と、耳元で囁いてくれた。




そしてリズムよく亜月を穿っていた腰は、
絶頂が近いのかスピードを上げてきた。


「あっ、あっ、あっ!」

「・・・くっ・・・亜月っ・・・あっ・・・イクっ・・・」

そして山野の熱が中に放たれ、二人同時に達した。

















「「ただいま〜」」


翌日、山野のマンションに帰ってきた。
自分の部屋より、ここの方が落ち着くのはなぜだろう。



「俺、ここに住みたいな〜。
ね、向こう引き払って、ここに引っ越してきたらだめ?」

「えっ!?それはまずいんじゃないの!?」

「・・・・・ダメなの?」



いいよ、って言ってくれると思っていただけに少しショックだ。






「ダメなんじゃなくて・・・避難場所は必要だよ」
「避難場所?」





ピポピポピンポ〜〜〜ン



「ほらね・・・」

「はは・・・葉桜ちゃん・・・」






そうだ。
山野には小憎たらしい小姑がいるんだった・・・。


一緒に暮らしても、当分、亜月のマンションを引き払うのはやめておこう。




「・・・葉桜が実家に帰ったら、亜月くんの荷物、取りにいこうか」

「・・・お、おう」


ドアを開ける前に、どちらかともなく口づけを交わす。




ふふっと微笑む山野は、やっぱり男前だ。






「おにいちゃ〜〜〜〜〜ん!!!」


ドアを開けると同時に、それは勢いよく山野に飛びついてくる。

「ハザ、また来たの?」

「いらっしゃい、葉桜ちゃん」


同居の許しを得て、
なんだか自分の方が勝ったみたいな気分になって、
得意げに葉桜を出迎える。



「きーーーーっ!なんであんたがいんのよっ!」

「さぁ〜?なんでかなぁ〜〜。あ、そうだ!
俺のことも、『お兄ちゃん』って呼んでもいいんだぜ♪」


「・・・っ!?」

一瞬、きょとんとしていたが、
意味を理解して、むきーっっと目をむく葉桜を、いい気分でからかう。



「はは・・・二人とも仲いいね。安心したよ」


「「どこが!?」」

二人同時に山野に反論する。


きゃんきゃん喚き合うが、
でも正直、葉桜とのこのやり取りは嫌いじゃない。


むしろ、今までこれほど全力で突っかかってくる女はいなかったので、
小学生と同レベルだと思われても、
この言い争いは、亜月にとっては楽しくて堪らない。


愛する人の妹だ。
それは亜月にとっても、大事な存在となるだろう。



ある意味、山野の家族公認のようなものだ。

あとはどうやって、山野の両親を懐柔させようか・・・・。



だけどまず先に、このクソ生意気な小姑を手なずけなくてはね。



亜月はこれから先、
ずっとずっと、山野の側にいられる方法を、一生懸命思い巡らせていた。




END

番外編「切実な願望」へ

【あとがきっつーか】

へんてこな終わり方ではありますが、一旦ここで完結させました。

どうしても本編で、山野がイメチェンする部分と葉桜を出したかったので・・・。
まだまだ構成とか未熟で、ほんとうに読みづらかったのではと思い、反省しております。

あとはまた、ちらほらと、番外編で色々書き足していきたいと思っております。

山野のイメチェンのビフォーアフターとか、コスプレの様子とか、
その辺のイラストも、少し時間はかかりますが、
順次上げていきたいと思っております。

しかし、これほど山野が鬼畜になるなんて思っておりませんでした。

亜月は相当、大変な思いをしそうですが、
これまでの行いが行いなので、因果応報ってやつですかね?

それでは、このような長いありふれた駄文に、お付き合いくださいまして、
本当に、本当にありがとうございました<m(__)m>



余談ですが、葉桜を「ハザ」って書くと、「ハゲ」って読んじゃうのは私だけではないはずだ・・・!


2013/03/05