かわいいおまえ 後編



「勇太、あのな」
「だって今日は、兄ちゃんと一緒がいいもん・・・」



これまで勇太のためを思い、必死でつないできた理性。
なのに。

なのに、なんでそんな可愛いことを言うかな!?



佳郎は今にも飛んで行きそうになる理性を必死でつなぐ。


「・・・勇太、悪いことは言わない。俺とは、一緒に寝ないほうがいい・・・」

あの晩、自分が勇太にしてしまったこと。
勇太への自分の反応。
異常だと思った。



佳郎は明らかに、実の弟に欲情していたのだ。



その時だけだと思ったから、我慢できた。
だけど、もし今度、一緒に寝たら・・・・。



自分の欲望を抑えきる自信がない。





「・・・兄ちゃん・・・そんなに俺と一緒なの、嫌なのかよ!」
「・・・・・そ、そうだ。」



「・・・・・・・・・・・・・・俺は兄ちゃんと一緒がいいって思ってんのに?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」




「・・・ね、兄ちゃん。俺がいつも、生意気な口の聞き方するから?
だったら、俺、ちゃんと、いい子にするよ?
言うこと、ちゃんと聞くよ?・・・ピーマンも・・・がんばって食べるから・・・」



ああ、だから、そんな顔・・・されると・・・!



「・・・・・・・・・そうか。いい子にするんだな?」
「うん!」


(ああ、待て俺!勇太、お前もうなずくんじゃない!)


「・・・俺の言うことも聞くんだな?」
「うん!聞くよ?」


(うわあああ、はやまるな、俺!!逃げろ!勇太!)


「何かあっても知らんぞ?」
「・・・大丈夫だもん。」


・・・勇太の顔が、ほんのり赤いのは気のせいだろうか?



「・・・・・・わかった、まあ、いいだろう。」



・・・ああ、天国のオヤジ・・・。
俺は今日、きっと・・・きっと、許されない罪を犯してしまう気がする。



佳郎は自分の理性が徐々に、徐々に飛び立つ準備をしているのを感じた。















お兄ちゃんと一緒♪
お兄ちゃんと一緒♪



勇太はドキドキしながらベッドで待っていた。

だけど



ピンポ〜ン



誰だろう?こんな時間に。
そのドキドキも、一人の来訪者にぶち壊される。




インターホンの映像に映っていたのは平だった。


『ごめんね、ゆーたクン。こんな時間に。ヨシローに渡し忘れてたものがあって・・・。』
「兄ちゃん、今、風呂入ってるけど?」 



玄関を開けると、平はお邪魔しま〜す、と言って入ってくる。


「うん、知ってるよ〜。だいたい、いつもこの時間なんだよねぇ」
「・・・・・・・・・。」

やっぱりこの人、苦手だ。
勇太の胸のモワモワが、またむくむくと湧いてきた。



お風呂に入る時間帯を知ってるって・・・。


「で?何を渡せばいいの?俺が渡しといてやるよ。」
「クスっ・・・。やっぱりい〜ねぇ〜ゆーたクンって。そんな敵意むき出しのとこなんか、すごく可愛い。」



「はぁ?なにがいいたいんだよ、てめぇ・・・!」
「ふふっ。パジャマ姿、可愛いね〜。
なんか君もアレな感じだし?あいつも今日あたり、限界なんじゃないかと思ってさ♪」



「あんた、言ってる意味わかんねぇ。」

アレな感じってなんだよ!?

かみ合わない会話に居心地の悪さを覚える。




「ぼくもね〜、ヨシローのこと、すっごく好きなんだよね〜。」
「っ!!」
「ま、君とは違う意味で好きってことかな〜ふふ・・・」



「なぁ、俺さ、あんた嫌いだよ。渡すもん渡して、さっさと帰ってくんね?」
思いっきり睨みつけても、まったく怯む様子もなくて。



「ね、ゆーたクン。」
「・・・んだよ・・・」
「君さ、キスとかしたことないでしょう?」
「はぁ!?」



ああ、ドアなんか開けなきゃよかった・・・・。




「なんであんたにそんなこと教えなきゃなんねぇの?」
「ああ、やっぱり無いんだ♪」



はあ・・・と、ため息を吐く。

やっぱりこいつとは会話がかみ合わない。

「そろそろ上がってくるころだよね、ヨシロー。」
「・・・・・・。」




「ね、ゆ〜たクン」
「だからなに・・・んふっ」




・・・・・・・え!?


ちょ・・・今何が起きてるの!?





勇太はパニックになる。
口の中に何か入ってきている。



今、平にされているのは・・・・・キス!?


「嫌だっ!てめっ・・ふ・・・ん」
平の舌が、勇太の中を無理矢理犯す。

必死で抵抗するが、佳郎のときと同様、びくともしない。



「忘れ物なんで口実に決まってなくない?」

「放し・・・ふ・・・ん」



「くす・・・下手だねぇ・・・こんなんじゃ佳郎の相手はできないよ?」

ちゅるっと舌を吸い上げてくる感覚に力が抜ける。


気持ち悪いはずなのに、抵抗できなくて。


「嫌だ・・・」


「だろうね〜♪」





そう言って平は勇太の両手を一まとめにして頭上に固定する。
そしてあろうことか・・・



「うわっ・・・てめ、何すんだよっ・・・!」
悲鳴に近い勇太の叫びを無視して、履いていたパジャマのズボンを下着ごと下ろしてきた。



「わぁお♪」
「バカ野郎!見んな!!」
「これはこれはお宝映像♪へ〜〜見事につるっつる!」
「・・・・っ!!」


気にしてるのに・・・!



「なんか被っててかわい〜し。これは楽しめるね〜♪」
「・・・・っ!!!」
「色も綺麗で陶器みた〜い」



「・・・・・・・・・ぅっ・・・・!」


「あ〜らら、泣いちゃった。」



羞恥のあまり、涙が出てきた。



もがこうにも、力が入らなくて。



「・・・ううっ・・・ぃちゃん・・・にいちゃん・・・!」
「泣かない泣かない〜男の子でしょう〜〜?ほんとは泣き顔、大好物だけど。」



ショックだった。
初めてのキスは、佳郎がよかったのに・・・。



あげくに恥ずかしい部分まで見られてしまって。



それどころか、少しだけ勃ち上がっている勇太自身の先端をピンっとはじく。


「あぅっ!」
「うん、可愛い声だすね〜。どれどれ?」



指先で先端をくるくるとなぞれば、先走りでぬるぬるしてくる。


「あ、あ、あっ!」
「うわ〜・・・このまま犯した〜い」
「!!」


信じられない言葉を吐かれて勇太は凍りつく。




「くすっ♪・・・ま、安心してよ。ここもウシロもヨシローにあげるからさ。」
指を離すと、先走りが糸を引く。


そして以外にも脱がせたパジャマをまた着せてくれた。



だけど、


「ぼくは、ここだけで我慢するよ〜」
そしてまた、強引に舌で口内を犯してきた。





やだ・・・兄ちゃん助けて・・・!
兄ちゃんじゃないと、やだ・・・!





「・・・そんなにお兄ちゃんとイケナイことがしたいの?」
まるで心を読んだかのように、平がにやりと笑う。


「や・・・うんむぅ・・・離せ・・・ふっ・・・・や、兄ちゃん!!」



「勇太!!」

佳郎の怒鳴り声が、響いたと思った瞬間、ゴッという鈍い音と、何かが壁にぶつかる音がした。



「平!!!てめぇ俺の勇太に何してやがる・・・・・・・!!」



「お〜や、やっとお出まし〜?早くでてこないから
ぼく、た〜くさん ゆーたクンと べろちゅうしたよ〜?」


殴れらて、すこしふっ飛んだにもかかわらず、当の平は相変わらずで。
殴られた頬をのんきに撫でている。



「ふざけるな平、勇太に何をした!?」



佳郎が平の胸倉を掴んで、壁に叩きつける。






「ん〜〜〜、とりあえず、『した』のはキスだけ?ね〜、ゆーたクン♪ファーストキス、ありがとね!」
「・・・!」



「あとは〜、か〜わゆいとこ見ちゃった♪あ、ちょこっと触ったけど。」
「か・・・かわいい???」



「そ。ほんとはね〜、ぼくが剥きたかったんだけど。ヨシロー、剥いてあげなよ〜。」



「む、剥く!?」



「いいな〜♪剥きたかったな〜♪じゃあね〜♪」
そう言って、なぜだか満足げに帰って行った。


平が何をしにきたか、勇太には分からなかったが、
佳郎には心当たりがあるようで、まったくアイツは、と、毒づいている。




「勇太・・・大丈夫か?」
「大丈夫じゃない!なんだよぉ・・・あいつ・・・!」

ほんとに大丈夫じゃない。
ファーストキスを奪われただけじゃなく、佳郎にそれを見られて。


挙句の果てに大事な部分まで・・・。 
なんだか・・・・絶望的・・・。



「・・・立てるか?」
「立てないっ!」


腰も力も抜けて。
情けない自分に腹が立って、甘えたい気持ちと相まって、ちょっぴり佳郎に八つ当たる。



「ほら、おいで」


佳郎が両腕を広げてくれて。





勇太はそのまま、佳郎の胸に全力で抱きついた。


 











 





勇太をベッドに横たえようとすると、佳郎から離れずにきゅっとしがみつく。
少し、股間のあたりが膨らんでいるのは気のせい?



「・・・兄ちゃん、あいつのキス・・・気持ち悪かった・・・」



濡れた瞳で見つめられると、どうしようもない欲が湧きあがってくる。
不安げに動く唇は、ぷっくりとしてピンク色で・・・。



この唇を、あの平が犯したのだと思うと、怒りが込み上げてきた。



「まったくだ。あんなやつにキスなんかさせやがって・・・!」
じわっと、勇太の目に涙がたまってきた。





ああ、本当になんて可愛いんだろうと思う。



「兄ちゃん・・・。」

少し赤くなっている目元と、犯された濡れた唇。
そして、可愛く呼ぶ声。



どうしても、誘っているようにしか見えなくて。
そして気付いた時には。



「ふ・・・ん、にいちゃ・・・?」 

深く深く、口付けていた。


前にも味わったことのある勇太の唇と舌。
あの時、勇太は眠っていて。



でも、今は起きている。起きているのに・・・・。

勇太は―――抵抗しない。



うっとりと目を閉じていて、佳郎にしがみつく手にきゅっと力が入る。


平の感触を取り除くように、余すことなく舐めつくしてやると、
慣れていないのに、必死についてこようとする勇太が愛おしい。



唇を離すと、鼻から抜ける甘い勇太の声が、耳朶をくすぐった。





「どうだ?勇太・・・兄ちゃんのキスも気持ち悪いか?」
思わず佳郎も、一人称が”俺”から”お兄ちゃん”に変わる。


勇太は、ゆっくり首を横に振る。



「に・・・ちゃんの、気持ちいい・・・」
「そうか・・・」


なぜか、なにもかも許された気になって、再びキスを開始する。



その合間に、勇太が必死に言葉をつなぐ。



「初めては、兄ちゃんがいいって・・・思ってたから・・・!
あんなやつに・・・!だから、俺・・・ショックで・・・。」


そうか、そんないじらしいことを・・・!
可愛くてたまらなくて、さらにキスを深くする。




(そういや、あいつ、なんか言っていたな。ファーストキスがどうとか剥くがどうとか。
残念ながら、ファーストキスは俺が既にいただいていたがな・・・。ふふっ!)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



・・・ん?


・・・・剥く!?



確かに平は、剥きたいとか剥いてやれとか、そんなことを言っていた。
男の体で剥いてやる所といえば一か所しかない。



そう言えば、勇太の股間が膨らんでいたように感じたのは・・・。



『あとは〜、か〜わゆいとこ見ちゃった♪あ、ちょこっと触ったけど。』



・・・!!!

あ〜い〜つ〜め〜!!


 
肝心の部分を思い出してさらに怒りが湧いてきた。
でも、やつは言っていた。





『剥いてあげなよ〜』





と。





剥いてやれ。





てことはつまり。





・・・・・剥けて・・・ないのか・・・・?





佳郎の心臓は、いままでにないくらいドキドキと踊っている。


(いや、まて逸るな!ここは、勇太を怖がらせないように、順を追わねば!!)



キスが初めてということは、つまり、そういうことなわけで。
可愛い唇への愛撫を、首筋へと移す。


「・・・っ!」


位置を変えるたびにピクンっとなる。ものすごく感度はいいようで、なんだか嬉しくなる。



ボタンを外すと、ピンク色の乳首が目に飛び込んできた。
迷いなくそれに舌を這わせる。


「や・・・!」


・・・なんてかわいい声。



よかった・・・風呂で2発抜いていて。
抜いてなければ、今の声でイッタかもしれない。



「や・・・やぁ、にいちゃん・・・あっ・・・!・・・んで・・・!そ・・・なとこ・・・」

しつこく、可愛い胸の突起を舌でこねまわしてやると、さらに可愛く啼く。

「なんでって・・・やめるか・・・?」
「やぁ!・・・や・・・めない・・・」



そう言って、恥ずかしくなったのか、勇太は小さめのクッションをつかんで顔をかくしてしまった。



「だめだろ、勇太。感じてる顔、お兄ちゃんに見せてごらん」
クッションを取り上げると、涙目で真っ赤な顔の勇太がいた。



軽く唇にキスをして、ふたたび、可愛い突起に移す。


「勇太のおっぱい・・・かわいいね・・・」


もうダメだと、自分でわかった。
佳郎は完全にスイッチが入ってしまったことを自覚する。



「あ・・・あん、兄ちゃん・・・!やぁ・・・!」
「どうして?勇太が約束通り、いい子だから、お兄ちゃん、気持ちいいことしてあげるんだよ?」
「あん・・・だって・・・だって・・・!」



グミみたいに弾力のある突起をかるく噛めば可愛い声が響く。
響く声に、天蓋のカーテンどころか、窓のカーテンさえ閉めていないことに気づく。



「勇太・・・・窓の外からだれかが見てるかもしれないな・・・電気もついてるし・・・・平とか。ね?」



「やぁ、やだ・・・見せないで・・・!お兄ちゃんだけ・・・!」
その言葉に、参った、と佳郎は思った。



「ほんとに・・・、あの口の悪い生意気小僧はどこに行ったのかね?」
ここにいるのは、快楽に忠実な可愛い弟。


警告した時にほんのり赤く染められた頬。



この子も、こうなることを望んでいたのかもしれない。



「いい子でいるっていったもんな?」
「・・・・うん」
「なんでも、お兄ちゃんの言うこと、聞くんだよな?」
「・・・・うん・・・」



「・・・いい子だ」


胸のあたりを這わせていた手を、腹筋をなぞりながら下の方へと下げていく。



「おや、勇太、これはどうしたの?」
「あ・・・だって、兄ちゃんが・・・。」

下半身の膨らみをそっと撫でながら、我ながらオヤジだな〜と思った。
でも、言わずにはいられなくて。



「お兄ちゃんがなに?」
「あ・・・にいちゃんが、Hなこと、いっぱいするから・・・。」
佳郎はパジャマの中に手を差し込んで、明らかに反応しているそれを、直に包んだ。



「あ・・・ん・・・ダメ・・・!」
「何が駄目なんだ?勇太は、平には触らせて、お兄ちゃんには触らせてくれないのか?」



ああ、完全に変態である。



「あっ、あっ、にいちゃ・・・!」
包み込んだそれを、きゅっ、きゅっと、揉み込むと、
どんどん硬度を増していき、ぬるい液体が佳郎の手を濡らす。



「お前がちゃんと育ってるか、お兄ちゃんには確認する義務があるんだよ」
その言葉に、一瞬勇太が驚いたように見えた。





「どうした?自分で脱ぐか?」
「・・・や・・・!」
「じゃあ、兄ちゃんが脱がせるのか?」


「・・・やあ・・・!」



「・・・わがままだなぁ。そんな子は、いい子とは言えんぞ?」
「・・・やだ・・・!」



ああ、どこまでこの子は可愛いのだろう。


「ほら、お兄ちゃんに見せてごらん?」
言えば、勇太からも力が抜ける。



強張りが解けた体から、覆っていた布を全て取り去ると、
見事な肢体が浮かび上がり、思わず佳郎は息を飲む。



・・・本当かよ・・・これ・・・。





思わず、勇太の男の子の部分に目をやる。





一言でいえば、綺麗だ、と思った。
同じ男の股間を見て、こんなことを思うのは初めてで。


 
腹筋の筋から勇太自身の根本まで、体毛一本なく、陶器のような綺麗な肌で覆われている。



先走りをこぼしているそこも、綺麗な皮が被っていて、
ちょっぴりピンクの果実が先端から顔を覗かせていて、どうしようもないくらい佳郎を煽った。



『ほんとはね〜、ぼくが剥きたかったんだけど。ヨシロー、剥いてあげなよ〜』


平の言葉がよみがえってきて。
ああ、ホントによかった・・・あんなゲス野郎に剥かれなくて。





「いやっ!にいちゃ・・・やっぱ・・・見んな!!」
「見んな、なんて誰に向って言ってるの?」
そう言って、少しだけ見えている先端の果実を指でつつく。





「あうっ!!やぁ!」


「見んな、なんて言葉、お兄ちゃんに使ってもいいのか?」





少しだけ皮を下に引くように力を入れれば、きちゅっと皮がずれて


ピクンと勇太が反応する。


「ダメっ!!やあ!」
「そう、ダメだよな?」


「あ・・・ちが・・・あっ!触っちゃ・・・だめ・・・!」
口だけの抵抗を必死で紡いでいる。





佳郎はいままでにない程の興奮を憶える。



「お兄ちゃんが剥いてあげるからな。」
「あっあっやっ、兄ちゃん!」


勇太も興奮しているらしく、果実が少しだけ、先程よりも顔を出している。
手に包んで、先端の膨らみをきゅ、きゅ、と軽くいじれば、
恥ずかしそうにそこが蜜をたらして、さらに顔が出そうになる。



勇太、かわいい・・・。



佳郎は、勇太の先端に、ちゅっ、と音をたてて何度も口付けた。


「いっ・・・ああっ・・・にいちゃ・・・!!」


これを手で剥くなんてもったいない!




・・・なんて思ってしまう自分が恥ずかしい。
が、どうしても、勇太を味わいたくて。



ちろりと、覗く果実に舌を這わせるたびにびくびく跳ねて、可愛い声がもれる。



先端の膨らみごと一気に咥え込み、口を上下にスライドさせて、唇で勇太の感触を味わう。




ひとしきり茎を堪能すると、細身の勇太自身を両手で大事に包み、
再度、先端の膨らみごと口に含み、舌で何度も円を描くよう舐めていく。



舌先は、やがて覗いている果実を集中的に嬲りだす。


「あっ、ああん、にいちゃん・・・やあ!」

少しだけ見えてる敏感な部分だけを攻められる、
強烈な快感から逃れるためか、今までにないくらい腰をくねらせる。



絶妙な舌捌きで、勇太をさらに追い込んでいく。



果実を包み込んでいる皮の隙間へ舌を差しこみ、
身から皮を引き剥がすように、器用に動かしていく。


「あっ、あっ、ああん、や・・・にいちゃ・・・でるっ・・・!」


佳郎も、もう夢中だった。



執拗に舌を差し込み、無心に剥いていく。



みりっと皮がずれた瞬間、ぷるんとした勇太の敏感な果実がとうとう剥き出しになった。


「ひああっ!」


なんて可愛い・・・。


 
「あああっ!あ・・・!」


ぷるりとしたそこから、勢いよく快楽の証がとび出してくる。



綺麗な綺麗なピンク色のそれは、白いミルクのかけられた果物のようで。






佳郎は我慢できずに、再び口に含んだ。


剥かれて、剥き出しになったそこはとても敏感で。
おそらく自分でもいじったことのないであろうその部分をねっとりと舌で味わう。


「ああっあっ!あうっ!」



舐めまわして吸い上げて。文字通り、食べるように、夢中で食んでいく。


「・・・食べたい・・・勇太・・・」
佳郎の興奮も増していく。


「あ・・あっ・・・!にいちゃ・・・・、兄ちゃん・・・!」



びくびくと体を震わせながら、独特の味のする蜜がどんどんあふれてくる。
それを余すことなく吸い上げて、全てを飲み込んでいった。













かわいいおまえ7  



初めての快楽に懊悩する勇太に、どうしようもない嗜虐心が込み上げてくる。

快楽の淵に貶めて、この子をもっと啼かせたい。

愛おしいからこそ。ぐちゃぐちゃにしてやりたい。








「勇太・・・」



名を呼べば、涙にぬれた虚ろな目が、佳郎をとらえる。



平の感触を舐めとり、自分を焼き付けた唇から唾液が零れて、なお佳郎を煽る。



完全に剥きだしになった勇太自身は、何度か放出したというのに、
腹にくっつきそうなくらい勃ちあがり、次の刺激を待っているかのように、ぴくぴくと震えているようで。



「何?勇太、期待してるのか?」


「ああん、やっ、やあっ!」

剥いてあまっていた皮を、上下にくちゅ、くちゅ、とずらせば、
体が跳ね、強い快感にどうしていいのか分からずに、可愛く啼く様がたまらない。



きちゅ・・・くちゅ・・・と音をたてて、それを何度も繰り返す。



「もう・・・もうっやっ!!あん・・・あっヤダ・・・!」

「だからいったろ?お兄ちゃんと寝ない方がいいって。もうヤダ、なんて言っても
もうお兄ちゃんはやめてあげられないんだよ?」



優しくなっていく言葉とはうらはらに、嗜虐心はどんどん増していく。
勇太を追い詰めたくなる。



「痛いことはしてないでしょ?お兄ちゃん、気持ちいいことしかしてあげてないはずだよ?」
「うっ・・・にいちゃ・・・・だって・・・」



「嫌なら逃げなさい。いま、この部屋から出ていきなさい。」



勇太は首を横に振る。


「だって嫌なんでしょう?」
ふるふると、必死で首を振る。



「お兄ちゃんは嫌いだよ、言うこと聞かない子は・・・。」
「・・・ヤダっ・・・!」
はじかれたように、佳郎に抱きついてくる。



「勇太、可愛いね。お兄ちゃんの言うこと、聞く?」
「聞くっ・・・!」
「ホントに?」
「聞く・・・・・・!」



「そう、じゃあ、お兄ちゃんのコレ、なんとかしてもらおうかな?」



こんなこと、してはいけないと、心の奥底で思うのに。
思うだけで。



佳郎は前を寛げ、誇張したものを取り出した。
それは、勇太が欲しくて完全に上を向いている。




ギョッと見開かれ、強張る勇太の顔に煽られ、さらに強要したくなる。


「ほら、お兄ちゃんのもして?さっきしてあげたでしょ?」



ぽろっと勇太の目から涙が落ちる。



「・・・お兄ちゃん・・・。」


切なく呼ぶ声に、かわいそうになってくる・・・はずもなく。

もっと泣かせたい。





「ほら、言うこときくんでしょう?」

ズイっと目の前に突き出して。


低い声で。





「舐めなさい。」





冷たく命令した。







凍りついた表情に、見開かれた瞳の奥にある動揺に、
この強要が初めてでは無いことを悟った。





動けなくなってしまった勇太に、優しく声をかける。
あくまで、 優しいのは、声だけだが。 



「勇太・・・。誰かにしたことあるんだ・・・。」
「・・・っ!」
ふわりと髪をなでると、びくりと震える。


「ねえ、誰にしたの?勇太。」
勇太の瞳からは、ただただ、涙がこぼれる。



「勇太。お兄ちゃんに教えて?この可愛いお口で、誰のを咥えたの?」



「ううぅ・・・うっ・・・にいちゃ・・・ごめんなさ・・・・」
「謝るんじゃなくて、ね?誰のを咥えたかを聞いているんだよ?」
「い・・・いや・・・だっ・・・」


よほど思い出したくない過去なのだろう。



「答えなさい。」

びくっと震える様がたまらない。
可愛くて、可愛くて。



「・・・・お、お義父さん・・・。何番目のかは、覚えてない・・・」

「・・・勇太はいくつだったの?」

「・・うっ・・ひっく・・・10歳・・・・」

「かわいそうに・・・」


 
勇太のふわふわの髪に指を絡める。


その手に、安心したように、勇太も顔をすりすりと擦りつけ、甘えてくる。
だけど。





「でも、なおのこと、お兄ちゃんもしてもらわないと・・・不公平でしょ?」
「・・・!!」
その言葉に、安堵が打ち砕かれる。



「そんな奴にはしてあげて、お兄ちゃんにはしてくれないんだ?」
「お兄ちゃん・・・。」
俯いて、きゅうっと唇を噛む。


泣きそうな、困った顔。






ああ、いい顔するなぁ・・・。



「ね、勇太。さっきお兄ちゃんにしてもらって、嫌だった?」
「・・・・!」
勇太は黙って首を横に振る。



「そうだよね。だから今も、この可愛いピンクのプラムがひくひくしてるんでしょ?」
「あっ!」


かーっと頬を染めて、勇太は立ち上がっているそこを手で隠す。



「ね、お兄ちゃんも、気持ちよくして?」
きっとこの子は、逆らわない。そんな確信があって。



「ほら。ね?舐めなさい。」



勇太はキュッと目を閉じた。

その目からスーっと涙の筋が通る。

それを指で拭って、佳郎はぺろりと舐めた。







覚悟を決めたように目を開くと、おずおずと佳郎の努張に両手で包み込むように白い指を絡める。

顔を近づけると、不思議そうにしばらく凝視していたが、
さっき佳郎がしたように、ちゅっと音をたてて、キスをした。


何度も何度もキスをして、再び凝視する。


「・・・なんか兄ちゃんの・・・お義父さんのと違う・・・。」


その言葉にぴくりと佳郎が反応する。


「ほ〜お?どう違うんだ?」
怒りを孕んだ低い声。


この可愛い口が、義父のも咥えたかと思うと腹が立つのに、その男と比べらるとは。





「・・・兄ちゃんの・・・大っきくて・・・・・なんか・・・グロい・・・。」

グロいとか言いながら、勇太の目はすっかりソレに釘付けで、
だんだん興奮していくようだった。



両手でしっかりと佳郎の茎を支え、小さな舌を出して、
チロチロと先端のくぼみに差し込んできた。



佳郎を真似して、必死に舌を這わせてくる。



勇太の髪を撫でながら、舌の動きを味わう。
下手ながら、それがたまらなくいい。



「勇太、ここからここまでを舐めてごらん。」
根元から先端までの裏筋を舐めるように指示する。



「そう、筋に沿って・・・っそうだよ。」
言われたとおりに筋に沿って舐めていく。



「こっちの手でね、支えながらこのクビレたとこを・・・そうそう。
もう片方の手でね、先っちょを・・・そう・・・うっ、上手上手・・・っ。」



容赦なく、ぐりぐりと先端の割れ目やクビレを刺激してくれる。
無心に舌を這わせ、裏筋に垂れてくる体液も、必死で舐めとっていく。



浮き出た血管にも興味をもったのか、それにも舌を這わせてきた。



「・・・!勇太・・・。」



あれだけ嫌がっていたのに、夢中になっているように見えるのは気のせいだろうか?



どう見ても、おいしそうに、一心不乱にむしゃぶりついているように見えて、
佳郎自身はひとまわり大きくなる。



大きくなった佳郎の陰茎にすこし驚いたものの、
勇太はまたちゅっ、ちゅっと音を立ててしゃぶりはじめる。







初めて勇太に添い寝をしてあげたときを思い出す。
思いがけない体の反応で、妄想の中で勇太を汚した。


この可愛い口で、無理矢理奉仕させる。


まさか、現実になるなんて思っていなかった。





「ほら、今度はお口に入れてごらん・・・。」

「ん・・・むり・・・顎、外れちゃう・・・」





「・・・大丈夫。そっとね・・・歯をたてないように・・・そう。」
素直に咥え、再び必死に奉仕をしていく。


唾液と佳郎の体液がまざり、勇太の口からこぼれ佳郎の陰茎を濡らしていく。 



喉の奥深くまで頬張ってピストンなんて、さすがに無理だろうな。


小さな口で一生懸命頬張って奉仕している様子を見て、まだ早いか、と呟いた。 



伏せられた長いまつ毛でできた影が、まだ15歳の少年を扇情的に魅せる。








「・・・勇太、もういいよ、ありがとう。」
勇太の口内から、自身を抜きだそうとすると、以外にも勇太は食らいついてきた。



奉仕を続け、あぐあぐと一生懸命舌を蠢かす。


先端にキスをするように唇を当て、ちゅるっと吸うようなしぐさをみせたかと思えば、
再び小さな口で大きな先端を包んでいく。




「ゆ、勇太・・・!」



掠れた声で咎めれば、首を横に振り、
その動きで、歯が佳郎の一番敏感な部分を何度もかすめ、
とうとう勇太の口の中で熱を吐き出した。


「―――くっ!」


どぷっと吐かれた熱を勇太は必死に飲み込もうとする。
飲みきれず、口からあふれ出たそれを、舌でぺろりと舐める仕草が、なお扇情的で。



「・・・やってくれたな、勇太。」
勇太にイカされたのが、思いのほか悔しい。



生意気な・・・。



出したばかりだが、佳郎自身はすでにヘソまで反り返っていて、臨戦態勢だ。



それを勇太はじっと、もの欲しそうに見つめている。



「なに、まだしゃぶり足りないか?」
こくりと素直にうなずく。

「ほう・・・?グロいのにか?」


にやりと笑い、勇太の目の前で、そのグロい肉棒を自分で扱いてみせると、
かっ、と頬を染め、うん、と頷く。


そして佳郎のものをつかもうと手を伸ばす。





「嫌がってたくせに」


その勇太の手を振り払う。
妨げられれば、あ・・・と名残惜しげに見つめ、その表情は恍惚として見えた。


「・・・でも、兄ちゃんのちんちん・・・好き・・・。」


おそらく、自分でも何を口走っているのか分かっていないのだろう。


「ダメだよ。お兄ちゃん、もうそろそろお前のナカに入りたいよ」
「・・・ナカ・・・?」
「そ、お前の中。」





肩をつかんで押し倒すと、マットレスがボスンっと二人分の体重を受け止める。


「また、お兄ちゃんの番な。」

勇太を仰向けに倒すと、膝裏に手を差し込んで脚を左右に開いた。

「あっ・・・や・・・やだ・・・!」



「勇太、おちんちんだけじゃなくて、もっと大事な部分が丸見えだよ?」
「見ないで・・・」



「なーに?ちんこ咥えられたのに、見られるのが まだ恥ずかしいの?」
開かれた脚の間に再び口付ける・・・が、さっきと違うのは。



「ああっ、兄ちゃん、そこ・・・ダメ!!」


今から自分が入っていく場所を、丹念に舐めて、舌で中への侵入を試みる。



硬く結ばれていて、なかなか開いてくれないが、どんどん唾液を送り込んで、
少しずつ解いていく。



「あっあっあっ!」
空いている手で勇太自身を揉み込んで刺激を与えれば、出てきた先走りが
強情な蕾まで垂れてくる。


勇太自身の体液と佳郎の唾液が潤滑油の代りになり、指と舌が侵入を果たし、
勇太の中へと入っていった。



「ああん・・・あっ」



一旦、指を引き抜いて、舌だけで蕾を溶かしていく。
差し込んで引き抜いて、中で動かして。




「あっ、あ、・・・にいちゃ・・・」
ぬるりとする舌の感触が中で蠢き、ぞわぞわとした快感が全身を占めていくのか、
先走りはどんどん溢れ、勇太の腰はもう自然に揺れている。



「あ・・・あん・・・あっ・・・」
今度は指も突き入れて、舌と同時に差し込んで解していく。




差し込んだまま、中で蠢く舌と、出入りする、ごつごつした指。
指を二本に増やし、出し入れを繰り返せば、勇太の息も荒くなり、そこもだんだんトロけてくる。


甘い声と同時に、何ともいえない甘い香りが漂う。


勇太のフェロモン??



その甘い香りに、佳郎の意識も侵されて、勇太の秘孔に夢中でしゃぶりつく。



「はあっ・・・あん、あああっ!」
何度目かに出されたそれも、佳郎の指と舌に絡めとられて、勇太を溶かす材料にされてしまう。













「あ・・・あん・・・・あっ・・・あ・・」
指はすでに3本入に増やされ、ぐちゅぐちゅと掻き回していく。


時折、いいところに当たるせいか、そのたびに体が大きく跳ねる。



勇太の目の焦点もあっておらず、意識も半分トンデいて、
喘ぎながら快感の波に合わせて腰を揺らめかせている。



中に埋め込んでいる指を広げれば、くぱっ・・・、と入口が開き、勇太の熱がふわっと広がる。



もう一本、と、小指も足して、勇太の中を探っていく。
親指以外の全ての指が出入りし、中でバラバラに動いても、勇太は痛がるどころか
気持ち良さそうに喘いでいて、ぐちゅぐちゅと水音をたてて、指にまとわりついている。


「あ・・・ああっあっ・・ああっ!」



「気持ちいいか?」
「・・・もち・・・いい・・・ん・・・んっ・・・!」


とろとろにほぐれて、熱く溶けていて、甘く薫って・・・。

ここに、早く入れたい・・・。


だってほら、ここも欲しがって、ひくひくしてる・・・。





ごくりと唾をのむ。





勇太の入口を指で広げ、自分の熱の塊をあてがった。





「・・・っ勇太・・・いれるよ・・・。」
腰を、沈めていく。



十分な施しを受けたそこは、ずぶずぶと佳郎を飲み込み、
あっという間に全てが埋め込まれた。



「あああああっ!!」


勇太の先端が弾ける。





「・・・うっく!入れただけでイッタのか?勇太・・・」


イッた勇太の内壁がきつく佳郎に纏わりついて締め上げる。
思わず佳郎ももっていかれそうになる。





激しい締め付けに耐えながら、佳郎は勇太の中が、自分の形に馴染むまで、
じっと待った。



息を必死で整えようする勇太の、小さな胸が上下する。




埋め込みながら、その上下する胸と、結合している部分を見下ろす。
みっちり咥え込んで、きゅ、きゅ、とさらに引き込もうとする動きすらみせる。



 


今、弟の中にいる・・・・。


とうとう繋がってしまったのだ。勇太と。


実の弟の綺麗な蕾を、実の兄のグロテスクな肉棒で、深々と貫いて汚したのだ。


決して許されないことだけど。





ああ、あたたかい・・・。
俺の勇太・・・あたたかくて、気持ちいいよ。
もっと包んで。


俺の・・・弟。





どうしようもない背徳感が全身を巡り、下半身へ集中する。




しばらくして、勇太が佳郎の形に馴染みきると、佳郎はゆっくりと律動を開始した。

「は・・・はぁん・・・あっ・・・あっ・・・・」
小さな体躯に巨大な熱杭が出入りする。

卑猥な音を立てて。



ゆっくりと挿入して、
ゆっくりと引きぬく。



「はぁっ・・・はっ・・ああ・・・ああ・・・っ」



粘膜がめくれるほど引き抜き、さらにずっぷりと中へ入り込めば、じゅぷっと音をたてて、
さらに奥まで届く。



「あああん・・・あん・・・」
「何、抜く時が好きか?」
耳元でささやけば、返事の代りに中がきゅっ、と佳郎を締め付ける。



「そうか・・・」



ゆっくり引き抜くと、今度は勢いよく奥まで一気に貫く。


「あああっ!」



でも、抜く時は、望み通りにゆっくり時間をかけて・・・。

「はぁ、はぁ、はぁぁん・・・ふ・・・ぅん・・・」
これを何度も繰り返す。



勇太は本当に気持ち良さそうで。
兄に与えれられる快感にひたすら身を震わせる。



佳郎にはそれすらもたまらない。


ああ、俺のでこんなにも よがっている・・・。






出て行こうとすればきゅっと佳郎を締め付けて。
粘膜自体が自ら、佳郎を中へ中へと引き込もうとさえする。



ぺたりと吸いつく襞の中を行き来するのは、譬え様のない悦楽を佳郎に与え、
さらにそれは、予測不可能な動きで佳郎を翻弄する



「・・・くっ・・勇太・・・ちょ・・・待て・・・!」



引きずられそうなほどの快感を味わっているのは、お互い様で、
佳郎はイキそうになるのを必死でこらえる。




「ああっ・・・・・ちゃん・・・お兄ちゃん・・・・」
勇太は飛んでいる意識の中、しきりに兄を探しているようで、
シーツを掴んでいた手は、兄を求めて宙を彷徨う。



「にいちゃ・・・にいちゃ・・・!あっ、あっ、あっ・・・」

その手を佳郎はつかみ、指をからませる。
そうすればさらに、きゅきゅんっと締め付けて、佳郎を追い詰める動きをみせる。




二人が溶け合っている部分に、溢れる勇太の蜜がどんどん流れ込んで、
さらに佳郎の抽挿を助け、動きがだんだん激しくなっていく。



「あっ、あっ、ひうっ・・ひっ・・・イヤ・・いやぁ・・にいちゃん・・・!」




どろどろになったそこは、佳郎の滾る熱杭さえ溶かしてしまいそうなほどで。



ぐちゃぐちゃに滾るそこはまるで女みたい・・・いや、それ以上だ。



「初めて・・・のくせして・・・やらしい子だ・・・」
まさか、こんなに自分が追い詰められるなんて。



それほどに、勇太の中は凄まじい快感を佳郎に与える。


勇太の強烈な締め付けを強引に割り進み、中にある小さな突起を突き上げる。


「やあああっ!」


勇太の太ももが痙攣を始め、さらに締め付けが増し、
それでもなお佳郎は勇太の突起を激しくこすり立てる。



「はぁっ、はああっ、はぁ…んっ!あぅん、あぅっ、、あふぅ…んっ!いやっ・・いやぁっ・・!!」
強すぎる快楽に、しきりにかぶりを振れば汗が飛び散り、シーツを汚していく。



断続的な声が漏れ、首筋が、背中がしなって、ビクンと大きく跳ねた。



「あああああっ・・・イ・・イク・・・!!」」
勇太から白い蜜がどくんと吐き出される。



「お兄ちゃん…お兄ちゃん・・・・」
「お兄ちゃんはここにいるよ」



一度、深くキスをすると、佳郎は勇太の両足を抱えて肩に乗せた。

膝が勇太の顔についてしまうのではというくらい、腰を深く折り曲げ、


そして、

上から執拗に腰をたたきつける。


「いやあっあっ、あっ、あっ、あああっ、あっ、ひんっ・・・うああっ」



佳郎の興奮も最高潮に達している。


 

ガンガンと激しい攻めに、皮膚のぶつかる音と勇太の嬌声が響き、
ひたすら喘ぐ勇太に、佳郎の汗が飛び散る。




もっと啼けばいい。






兄のとんでもないものを、はしたないところに咥え込んで、

これでしか味わえない快楽を叩きこんで。

コレにすがって啼けばいい。




コレなしでは生きていけなくなればいい。



これに依存すればいい。




のたうちまわるほどの享楽を、互いに貪りあおうな、勇太・・・。






激しく前立腺を攻め立てれば、このまま溶接してしまうのではと、錯覚を起こすほど
繋がっている部分が熱く熱く滾る。



その熱で、奥の奥を犯したくて、汚してやりたくて、佳郎は大きく突き上げた。


何度も。

何度も。




「ひっ・・・ああああっ・・・・あぁ―――っ・・・・・・」



何度目かの突き上げて、ひと際高い、悲鳴に似た嬌声を上げて、
勇太の体から、がくりと力が抜け落ちた。





気を失った体は、ぴく、ぴく、と痙攣し、快楽の凄まじさをものがたっている。





精液にまみれて、自分のものを咥え込んだまま気絶している弟を眺めると、
支配欲が満たされていくのを感じた。





満足だ・・・。








悦にひたっている佳郎はふと窓の外に目をやる。
そしてあることに気づく。


綺麗な満月だ。

電気を消せば、明かりの消えた部屋に、満月の光が侵入してくる。



月の光が、勇太の肢体を美しく照らした。




綺麗な満月は大嫌いだった。



14年前、勇太を連れて母親が出て行った時、美しい満月だったのを鮮明に覚えている。



満月が来るたびに、勇太への想いと母親への憎しみが胸を占めた。




でも。
14年経って。



再び、勇太に出会ったその日の晩も、満月で。





そして、



勇太の体を支配した今日も、美しい満月で。


 


満月も悪くない。
なにしろ、愛おしい勇太を、こんなに奇麗に照らしてくれる。





しばらく目で堪能すると、佳郎は、勇太への律動を開始させた。




ゆっくり、自分が感じるように、自分のためだけに抽挿を繰り返し、
もう喘ぐことのない体を犯し続ける。



部屋に響くのは、ベッドの軋む音と、結合部の卑猥な音と、あらくなる佳郎の息。



存分に味わいつくして、そして、ようやく佳郎は、勇太の中に、自分の欲熱を吐き出した。





ぐったりとなった勇太の体を抱き上げて、ぎゅうっと抱きしめる。
絶対に誰にも渡さない。


俺の、俺だけの勇太。
どこにも行かせない。 


ずっとお兄ちゃんのそばにいてくれ・・・。





そんな願いを込めて、抱きしめて。


腕の中に勇太がいる幸せを噛みしめた。













あれだけHなことが大嫌いだったのに。


性的な欲求を孕んだ男は、反吐が出るほど嫌いだったのに。


そういう対象に見られる自分の容姿が大嫌いだったのに。


佳郎が自分を欲っしているのが、嬉しくて。
触れるところ全部、とろけそうなくらい気持ちよくて。


 
佳郎にされることは全部気持ちがよくて。



なにをされても、気持ちよくて。
荒んでいた気持ちが落ちついてくる。



(お兄ちゃんだったら・・・俺になにをしたっていいんだ。)








ちゃぷちゃぷした音と、ほどよく気持ちいい液体の感覚に、
地の底まで落下していたような意識がもどってきた。



目を開くと、佳郎の胸に抱きとめられたまま、バスタブに浸かっていた。
ミルク色のお湯はすごくいい香りがして、程よい温度で気持ちがいい。





「・・おにいちゃん・・・?」
いっぱい喘いだからか、声が枯れていて。


「勇太・・・気がついたか・・・。」



心配そうに、濡れて張り付いた髪を耳にかける。
声にすこし反省の色がまじっているのがなんだか可愛いく思えて。



勇太が佳郎の胸に顔をうずめると、佳郎も背に手をまわして抱きしめてくれた。



「大丈夫か?勇太・・・その・・・すまない。」
「・・・大丈夫じゃない・・・。だから、明日、学校休みたい・・・」

クスッと笑う声がした。それは少しホッとしたみたいな声で。



「だめだ、と言いたいが・・・俺が悪いからな。」

見上げると、すごく優しい顔で勇太を見ていた。
ああ、やっぱりカッコいい・・・。



勇太の胸は・・・またドキドキして。



「うん。お兄ちゃんが悪い。」

「・・・だが、誘ったのはお前だぞ・・・?」

「う・・・・・。」

それを言われると・・・・。



「でも、Hして、なんて言ってないもん。」
「お前のちんちんがかわいいのが悪い。そもそもムケてないなんて反則だろ。」



「なんの反則だよ!どーせ兄ちゃんみたく立派じゃねえよ!
そもそも、あの平ってやつが・・・・・!あ―――――――っ!」




思い出した。ことの発端。
そう、平だ。


平と佳郎が、仲がいいのが面白くなくて。
なんだか佳郎を取られそうで。
必死で。


モワモワ感が広がって。



どうしても、一緒にいたかった。



そして、嫌な事実を思い出す。


「兄ちゃん・・・俺、あいつにファーストキス・・・」
「ああ、それなら大丈夫だ。」
「・・・へ?」



「いや、まー、その〜・・・・なんだ。お前のファーストキスな。
お前が最初この家にきたとき、兄ちゃん・・・もらった・・・っていうか・・・」



「え・・・えええ!?」


「・・・おまえが可愛くてな・・・つい。ちなみに、舌も吸ったし、歯の裏もなめたから。」
しかも、勇太のちんこに、先に触ったのは許せん、とかつぶやいてる。


・・・初日にそんなことしといて、あのクールっぷり?


「・・・ああ、兄ちゃんて、超むっつりスケベなんだ、ようは」
「何!?」



うろたえる佳郎はやっぱり可愛い。



「・・・で、平は結局なにしに来たの?」


「あー・・・あいつな、ああいうやつだ。」







結局、平は、煽りに来たというか、嫌がらせに来たというか。
そのためだけに勇太にキスをしたらしい。



平は佳郎の嫌がる顔や悔しがる顔が大好きで。

(そう言う意味で好きって言ったのか)

相手を服従させ、跪かせるタイプの佳郎とは違い、
相手の嫌がることをして、その反応を見て喜ぶタイプのドSなんだとか。


(つか兄ちゃんてやっぱSだったんだ・・・)


そのためには手段を選ばないとんでもないやつで。



先にファーストキスを奪ってしまえば、佳郎が悔しがると思ってやったらしい。





おそるべし、平・・・!





「なんであいつと友達なんだろうと本気で思うことがあるが・・・。
やっぱダチでいたいんだよな、不思議と。」


「きっと類友ってやつだよ。」
「・・・なんだと?あんな変態と一緒にはされたくはない!」


「ん――・・・・ノーコメント?」



「ほう、お仕置きがほしいのか?」
「え!?うそうそ・・・え!?や・・・兄ちゃん・・・!俺、も・・・無理・・・ん」
低くうなったような声とはうらはらに、キスはすごく優しかった。



勇太も、覚えたてのキスを佳郎に返す。


「・・・少しはうまくなったな。」
「・・・うん。もっと上手になるから・・・だから、いっぱい・・・して?」



「はは、まいったなこれは・・・」



苦笑いして、今度は深い濃いキスをしかけてきた。
勇太もそれについていく。





好き。

お兄ちゃん。

大好き。






俺から離れないで。
初めて俺に与えられた、心の拠所なんだよ?



お兄ちゃんしか俺にはいないから。



だから絶対にどこへも行かないで。










そんな気持ちをこめて、
勇太は必死で佳郎のキスに応える。





勇太がぎゅっと抱きつくと、ぎゅうううって、壊れそうなほど、抱きしめてくれて。

そして、


「勇太。どこにも行かない。お前だけのお兄ちゃんだ・・・。」

耳元で、そう囁いてくれた。








(完)





おまけの後日談





「おはようー」
「おっ、おはよー勇太。昨日休んだけど、大丈・・・・・・夫・・・・ってお前・・・!!」



「・・・え!?何!?」


勇太はドキリとする。





「勇太・・・お前まさか・・・!」



「何?なんだよ!!」


まさか・・・バレてる?
や、そんなはずない・・・!





「勇タン・・・・・そうか・・・。大人になったんだねぇ・・・・ほろり。」

「ええ!?」



もう一人がポンと肩を叩く。



「そのままの勇太でいてって言ったのに・・・。俺の天使が汚された〜〜。(泣きマネ)」



ちょちょちょちょっとまて!なんでみんな分かるんだー!? 







結局その日、仲間から、コンビニの赤飯のおにぎりをもらった・・・・。


(なんでわかったんだろ??)




「そりゃ、あんだけキスマークつけてりゃあね〜。ヤッちゃったオーラ全開だし。」
「勇太のお兄さん、独占欲強いね。」
「ああ、俺らへの警告で、わざと勇太に、見えてんの教えなかったんだろうな」
「・・・俺の天使が・・・・」



そんな会話がされてたことを、勇太は知らない。






そして。





「兄ちゃん、なんでかバレてさ、赤飯のおにぎりもらった〜。なんでバレたのかな〜?」
「さぁ、どうしてだろうな・・・」


佳郎がニヤリと、ほほ笑んだことも、勇太は知らない。




お・わ・り

後日談「蜜月」へ
あとがきという名の言い訳〜〜♪まず、長い長い駄文を読んでくださった方、ありがとうございます!
この長い長い言い訳も、読んでくれたら嬉しーな〜なんて。

ほんとはこの話、途中でふれましたが、いろいろすっとばしまして。

予定変更で書いたら、いろいろおかしくなりました。
展開が突然だし。伏線を意識しましたが、ぜんぜん活かせてません。

今回は、平が勇太にイタズラをしましたが、実際は、佳郎と大ゲンカして出て行った先で、
自棄を起こして知らないおじさんについて行って、フェラ○オされるという設定でした。

挿れられるまえに間一髪逃げ出し、
そこで、勇太を探していた平に保護され、無事に兄のもとへ・・・。というもので。

そう、平はホントはいい人の設定だったんです。
そこまで書くととんでもない量になる上に、私の力量ではちょっと・・・。

でも、どうしても、勇太君には、お兄ちゃん以外にイタズラされてほしいという私の願望(欲望??)で、
平に悪役をやらせましたが、入れ込み方が無理矢理で・・・。反省。

知識が乏しくて言葉をあまりしらないので、これからもっと、勉強していきたいと思います。



2009/03/28